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週刊コラム
2010.07.02
取締役と会社の利益相反取引とは
競業取引及び利益相反取引

取締役は、会社法上「株式会社のため忠実にその職務を行わなければならない」という忠実義務が課されています。そして、この忠実義務の一内容として取締役は会社と競業する取引及び利益が相反する取引(利益相反取引)を行うことが制限されています。これらの取引は、会社の利益を害するおそれがあるからです。

会社法上、取締役が競業及び利益相反取引を行う場合には取引についての重要な事実を開示したうえで、取締役会を設置している会社では取締役会の、取締役会を設置していない会社では株主総会の承認を受けなければなりません。会社法上承認を受けなければならに取引については次の3つの類型が定められています。

1.取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をするとき

2.取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき

3.株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき

具体例

上記3つの類型を例にあげると次のとおりです。

1.取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をするとき

これは、取締役の競業避止義務を定めるものです。例えば、Aが歯ブラシの販売を行う株式会社Bの取締役である場合に、Aが自らの利益のために歯ブラシの販売を行う場合が当該場合に該当します。

→ 取締役(A)が自己(A)のために
  株式会社(株式会社B)の事業の部類に属する取引(歯ブラシの販売)を行う場合

2.取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき

これは、直接取引の規制と呼ばれるものです。例えば、Aが株式会社Bの取締役でかつ株式会社Cの代表取締役である場合において、株式会社Bと株式会社Cが商品の売買を行う場合が当該場合に該当します。

→ 取締役(A)が第三者(株式会社C)のために
  株式会社(株式会社B)と取引(売買)を行う場合

3.株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき

これは、間接取引の規制と呼ばれるものです。例えば、Aが株式会社Bの取締役である場合において、Aの債務のために株式会社Bが株式会社B所有の不動産に担保権を設定する場合が当該場合も該当します。

→ 株式会社(株式会社B)が取締役(A)の債務を
  保証(株式会社B所有の不動産に担保権を設定=物上保証)する場合

承認を得ずに行った取引の効果

取締役が1.の取引を承認を得ずに行った場合、会社は、その取締役に対して、その取引によってその者又は得た利益の額を会社に生じた損害額と推定し、会社はその取締役に対し損害賠償を請求することができます。

取締役が2.3.の取引を承認を得ずに行った場合、当該取引は無効となる恐れがあります。取締役及び会社が取引を行う場合には、必ず上記1.?3.の取引に該当するか否かを判断しなければなりません。

検証

下記に例を上げますので、上記1.?3.の取引に該当し、取締役会又は株主総会の承認が必要かどうか判断してみて下さい。


<例1>

(1)缶コーヒーの販売を行う株式会社大阪の取締役Aが同じく缶コーヒーの販売を行う株式会社東京の代表取締役に就任する場合、上記1.?3.の取引に該当するか。

(2)上記(1)において株式会社東京が株式会社大阪の完全子会社である場合、上記1.?3.の取引に該当するか。


<例2>

次の株式会社大阪と株式会社東京が商品の売買を行う場合、上記1.?3.の取引に該当するか。(株式会社大阪と株式会社東京と別々に検証してみて下さい。)

 株式会社大阪 代表取締役 A 取締役 A、B、C

 株式会社東京 代表取締役 B 取締役 B、C、D


<例3>

次の株式会社大阪を債務者として、取締役A所有の不動産に担保権を設定する場合、上記1.?3.の取引に該当するか。

 株式会社大阪 代表取締役 A 取締役 A、B、C


解答

<例1>

(1)上記1.の取引に該当します。この場合、個々の取引にではなく包括的に取締役会又は株主総会の承認を受けるのが通例です。

(2)形式的には、上記1.の取引に該当するように見えますが、上記1.?3.は会社の利益を害することを予防するための制限ですので、承認は不要です。株式会社東京は、株式会社大阪の完全子会社であるため利害の対立のおそれがないからです。

<例2>

株式会社大阪において上記2.の取引に該当し取締役会又は株主総会の承認が必要となります。株式会社東京においては上記2.の取引に該当しません。

株式会社大阪において

→ 取締役(B)が第三者(株式会社東京)のために株式会社(株式会社大阪)と取引(売買)を行う場合に該当します。

株式会社東京において

→ 株式会社東京の取締役B、C、Dはいずれも株式会社大阪を代表しません。したがって、株式会社東京においては、取締役が第三者のために株式会社と取引を行う場合に該当しません。

<例3>

上記1.?3.いずれの取引にも該当することはありません。当該行為は、取締役Aは担保権の負担を負うことになりますが、株式会社大阪にとっては得することはあっても、何ら負担はないからです。

(西本 拓司)

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