韓国で支店を設置する場合の手続の流れ
企業法務
|更新日:2022.12.6
投稿日:2012.11.19
日本企業が韓国に進出する形態としては、子会社(現地法人)の設立、支店の設置、駐在員事務所の設置等があります。
駐在員事務所は、直接的な事業活動を行うことはできませんので、事業活動を行う場合には、子会社の設立又は支店の設置を行うことになります。
そして、韓国においては日本と同様に登記制度が存在するため、子会社の設立又は支店の設置を行う場合には、韓国において登記を行わなければなりません。
韓国の登記制度は日本とよく似ており、登記簿謄本の内容も日本とほとんど同じです。また、法務士という登記の代理を行う日本の司法書士のような資格もあります。
以下、韓国における支店設置登記について簡単にご紹介します。
韓国で支店を設置する場合の手続の流れとしては、まず日本において、取締役会を開催し、韓国における支店の設置の決議及び韓国における代表者の選任を行います。
その後、韓国において外国為替銀行に申告、裁判所において支店設置登記、税務署における事業者登録を行っていくことになります。
韓国において支店設置登記を行う場合、日本において準備する書類は、
- 取締役会議事録(取締役決定書)
- 任命書
- 定款
- 登記簿謄本
となります。
上記の日本において準備する書類については、外務省において認証(アポスティーユ)を受ける必要があります。
アポスティーユの手続については、1.~3.の書類については、私文書であるため、外務省で認証を受ける前に、公証役場において認証を行い、その後法務局において公証人の押印について証明を受ける必要があります。
登記簿謄本については、公証役場における認証は必要ありません。ただし、法務局において登記官の押印につき証明を受ける必要はあります。
なお、現地の法務士に登記の代理を依頼する場合には、その委任状も必要となります。
次に、韓国において準備する書類は、
- 韓国における代表者の印鑑証明書
- 就任承諾書
となります。
上記の書類を準備して韓国において登記を行うことになるのですが、実際にご依頼をいただく場合、日本の司法書士は現地において登記を行う権限はないため、現地の法務士を手配させていただき、登記を行うこととなります。
しかし、手続きに要する時間的な問題など、日本の商習慣とは異なるところがあり、完了するまでに、予想していたより時間がかかるケースも出てきます。
韓国に限らず、海外においては、納期の感覚が日本と異なる点が少なくありません。海外において手続を行う場合には、時間などの余裕をもって行うことが必要だといえるでしょう。
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