このページの先頭です

司法書士法人 おおさか法務事務所

COLUMNコラム

本文へジャンプします。

おおさか法務は見た!
実録コラム百科

ここから本文です

「遺言のすすめ」

遺言

2021.07.15

先日、熱海で突然の土石流が発生し、たくさんの尊い命が奪われました。

あのような形で災害が発生し、命を落とすとはご本人たちも、よもや思いもよらないことだったと思います。それだけに心より哀悼の意を表しますと共にご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 人の命は、このような災害に加え、新型コロナウィルスなどの病気、あるいは交通事故などでも突然失われます。それだけに、やはり自身の死に対する備えはしておきたいものだと、今回の件でも改めて思いました。そうした備えは、最近では「終活」と呼ばれ、定着しています。

こうした老い支度には、「戒名を決めておく」とか「埋葬法を決める」といったこともありますが、私としてはやはり、遺言を書いておくことをお勧めしたいと思います。

 欧米での遺言は「will」(ウィル)と呼ばれ、これがなければ遺産分けに大変な労力がかかってしまうため、財産のある方については、必ずといっていいほど書かれています。

 しかし、日本では精神的なものを残すイメージが強く、書くのも難しそうな印象があるためか、毎年亡くなる方のうち、公正証書遺言を残す方の割合は7~8%前後しかおられません。これについては、 私はもっと遺言が書かれるべきだと思っています。自戒を込めてとなりますが、この点は専門家の啓発が不足していると感じます。

 江戸時代にまで遡ると相続の開始は「家督相続」制度のもと、2つのイベントがありました。

1つは「死亡」です。これは現代の相続開始の根拠と同じですね。

しかしもう1つ、相続が開始するイベントがありました。それが「隠居」です。

 江戸の一般男性は、寿命もかなり短く、かつ老後も今のシニアの方々に比べると全然元気がない状態だったようで、「隠居」で生前に相続することが多かったようです。この場合は、生きているうちに父から子へその家の財産の特徴や管理方法、留意点などが細かく伝授され、受ける側もしっかりと父親やほかの兄弟姉妹たちと議論することができたことでしょう。

 しかし、今は「死亡」でしか相続が開始せず、「隠居」のように生きているうちに親から子へと継承できる法定のイベントがないので、親子間で家の財産について話し合うきっかけが少ないといえるでしょう。

 そうした意味でも、遺言を書くことは、まずご自身で保有される財産の現状を棚卸しどこにどんな財産があるかを把握することができますし、それをもとにして、子どもたちと「イエ」の財産についてのコミュニケーションを図る良い機会になるはずです。

 「遺言を書く」というと、なにか面倒なことに感じてしまう方が多いでしょうから、その一歩手前の、「財産の現状を把握する」というところから始められるのがいいのではないかと思います。「不動産、預金、証券、保険等」と書き出していくだけでも、遺言をしたためるところへ向けての大きな一歩になると思います。

本記事に関する連絡先

フリーダイヤル:0120-744-743
メールでのご相談はこちら >>

川原田 慶太

この記事を書いた人

川原田 慶太

お問い合わせ

オンライン相談