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より詳しく!相続登記の義務化への対応とは?!

相続不動産

2021.05.14

※2021年4月時点の情報掲載しております 

所有者に連絡がつかない所有者不明土地は、日本全土の2割(九州くらい)程度といわれています。
 その中でも、相続登記が未了の土地は、不動産登記簿を見ても、現在誰が持っているか分からない土地で、公共事業、地震や豪雨などの災害からの復旧や民間の土地取引の妨げとなっているとされており、国も解消に力を入れています。

 そのような背景より、この度、相続登記の義務化を含む、改正不動産登記法と改正民法、新法の相続土地国庫帰属法 が、2021年4月21日の参院本会議で全会一致により可決、成立しました。

 現在、相続登記未了の不動産については、様々な理由があるかと思います。

 

例えば

■ 不動産の価値が低いため・・・
■ 不動産の利用状況から、相続について特に意識してなかった・・・
■ 相続人間で話し合いがまとまらない・・・
                                                                                         などです。

先日のコラムでは義務化についての概要を記載しました。

→ 義務化についての概要 法改正ニュース「登記を放置すると、罰則をうけることに?!」

相続登記の義務化については、相続不動産の取得を知ってから3年以内の所有権移転登記を義務化し、
正当な理由がないのに怠れば、10万円以下の過料を科すものです。この改正は、2024年を目途に施行される予定です。

特に現在、相続登記未了の不動産を所有している方は、この改正によって、自分が所有している不動産についてどうなるかなど、様々な疑問があるかと思います。そこで、ここでは、現在発表されている内容を基に、相続登記の義務化についての対応をもう少し詳細に記載させていただきます。

 

    (1)現在相続登記未了の不動産の取扱いについて

 (2)過料が課される流れ

 (3)現在、相続登記未了の不動産を所有している方の対応について

 (4)相続登記を行うことが困難な事情がある場合 

   ~相続人申告登記(仮称)の制度~

 

(1)現在相続登記未了の不動産の取扱いについて

相続登記の義務化の過料の対象となるのは、この改正が施行された後に開始された相続だけでなく、この改正が施行される前に既に登記名義人が死亡している不動産についても、相続登記の義務化に基づく過料の対象となります。この場合、相続の開始を知った日か、改正の施行日のいずれか遅い日から3年以内に相続登記をしなければならないとされています。

相続登記義務化 改正内容 相談 対策
相続登記 2024年 3年後には過料 早めの相続登記を

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(2)過料が課される流れ 

過料については、法務局(登記官)から裁判所に対して、過料に処せられるべき者の通知を行うことによって科されることになります。

相続の改正 過料まで 相続登記申請
相続登記 義務化 過料の仕組み

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登記官が登記申請義務違反の事実を把握した場合に、直ちに過料通知の対象としてしまうと、登記申請義務違反の発覚を恐れて、登記申請義務の履行期間を経過した相続登記について、過料の制裁を恐れて登記申請がされなくなるといった事態が生じてしまう恐れがあります。

そこで、このような事態を回避するため、法務局は相続登記の義務違反の事実を把握した場合に直ちに、裁判所に対して過料の通知を行うのではなく、

あらかじめ相続人に対して登記申請をするよう催告することとし、それでもなお登記申請をすべき義務を負う者が理由もなく登記申請をしないときに過料の通知を行うこととし、催告に応じて登記申請がされた場合には過料通知をしないこととするような流れが想定されています。

※今後、過料通知についての手続が法務省令において明確に規律される予定です。

 

(3)現在、相続登記未了の不動産を所有している方の対応について

 過料が科される場合に何らかの事前の催告があるとすると、現在、相続登記未了の不動産を所有している方は、当該催告があった場合にどう対応すればよいのでしょうか。

 法改正に関わらず、相続登記を長期間放置すると、次のようなデメリットがあります。

 

① 権利関係が複雑になる可能性。

 年数の経過によって、相続人にさらに相続が発生することによって相続人の数が増加し、権利関係が複雑になり、登記をすること自体が困難になる場合があります。特定の相続人に対して登記を行う場合、原則として遺産分割協議に相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書が必要となりますが、相続人が増えるほどこれらの収集が困難となります。

② 認知症等の事情により手続が困難となる可能性。

 相続人に一人でも認知症等の事情により、判断能力が無くなった方がいた場合、成年後見人を選任しなければ、遺産分割協議を行うことができなくなってしまいます。相続人が高齢化すると、認知症等の発生リスクが高まることになります。

③ 売却や担保設定ができない。

 不動産について、何らかの事情で売却したり、担保提供を行いたい事情が生じた場合であっても、相続登記を行っていなければ売却等を行うことができません

④ 相続人の債権者による差押の可能性。

 相続人のなかに借金等がある人がいて支払いが滞っている場合、債権者に不動産の当該相続人の相続持分を差し押さえられてしまう可能性もあります。

⑤ 不測の事態の際に生じる問題。

東日本大震災における原発事故による賠償手続においては、相続登記を済ませていなかった人への賠償が速やかに行えない問題が生じました。

 相続登記は、年数が経てば、上記のように登記を行うことが困難となる事情が生じうる可能性があり、いざ法務局からの催告等にしたがって登記を行おうと思った場合に行えない。または多額のコストがかかってしまう可能性もあります。したがって、現在、相続登記未了の不動産を所有している方については、特段、法改正を待つことなく、今からでも対応をしておくことが望ましいかと思われます。

ただし、相続登記手続きの負担軽減のために、登録免許税の軽減も検討されており、令和3年度与党税制改正大綱においても「不動産登記法の見直しの成案をふまえ、令和4年度税制改正において必要な措置を検討する。」としていることから、具体的にどのように対応すべきかは個別にご相談ください。

(4)相続登記を行うことが困難な事情がある場合 ~相続人申告登記の制度~

 なお、相続人間で遺産分割協議がまとまらない等、登記を行いたくても行えないような場合もあるかと思います。そこで、この改正においては、相続人申告登記(仮称)の制度が創設されました。

相続人申告登記の制度
相続人 遺産分割 遺産分割協議 相続人 3年

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 相続人申告登記の制度は、相続登記を申請する義務を負う者が、法務局に対し、

「登記上の所有権の名義人について相続が開始した旨および自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出る」制度です。

単に所有者が死亡しているということと、その相続人である蓋(がい)然性がある者を公示する登記であり、非常に簡易的な登記です。相続により誰に権利が移転したかを登記するものではありませんが、これにより相続登記の義務を履行したものとみなされます。

※ただし、既に成立している遺産分割に関するものは除きます。

なお、相続人申告登記後、遺産分割が成立した場合は、遺産分割の内容に合致する相続登記を遺産分割の日から3年以内に、申請しなければなりません。

 


 

 相続登記の義務化により、今まで放置していたことが、放置できなくなってしまいます。相続登記未了の不動産を現在所有している方は、

今回の改正の情報を契機に、改正の施行日を待たずに今から積極的に相続登記の手続を進めていくことが望ましいかと思います。

また、相続や手続については、不明な点も多いかと思いますので、ぜひ専門家に相談下さい。

 

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川原田 慶太

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