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司法書士法人 おおさか法務事務所

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サブプライム問題

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2008.11.06

長かった米大統領選が終わり、オバマ大統領が誕生することになりました。各国のメディアは同氏に祝意を表し、8年にわたるブッシュ政権が終わることを歓迎する論調が目立っています。泥沼のイラク戦争やそれに伴う同時多発テロ、そして今回のサブプライム問題などを考えるとやむをえないのかもしれません。アメリカの国家的プレゼンスを低下させた政権としてアメリカ史に名を残すことになると思います。

「リーマンショック」なる事件は、世界金融恐慌の序章として長く人々の記憶に残る事件になるでしょう。米国証券業界第4位の規模を誇る証券会社の破綻は、日本のバブル崩壊時に同じく業界4位の山一證券が破綻したことと重なります。「まさか、リーマンがつぶれるとは…」と誰しもが思いました。サブプライム関連商品を大量保有していたため、短期市場での資金調達に支障をきたしたのが破綻原因だったようです。引き続き世界を揺るがしたAIGも、「CDS」(クレジットデフォルトスワップ)なる金融商品を大量に販売して大きな利益を積み重ねた挙句に破綻の危機を迎えました。リーマンを始めとする企業のデフォルト(債務不履行)が増大したことから想定外の保証履行が重なり、結局は国有化に至りました。

これら金融機関がどのような原因で破綻もしくはその危機に至ったかはここでは問題にしません。エリート集団である金融のプロ達がこのような事態を予測できなかったはずがない。にもかかわらず、最終的には誰がババくじをひくのか分かっていながら目先の利益拡大に走り現状に至った、エリートの確信犯的な姿勢が問題なのです。そして、ババくじを否応なく引かされたのはバブル崩壊後の日本と同じく、アメリカ国民でした。天文学的ともいえる75兆円もの公的資金枠が設けられ、今後損失を被った金融機関に注入されていきます。増税、インフレ懸念、景気後退、リストラ、資産収縮など受けたアメリカ国民が受ける損害は甚大です。

何十億という役員報酬をとっていた米国系の金融機関トップ達、そしてそれを野放しにした米政府とFRB(米・中央銀行)はこの事態に関しどう責任をとるのか。かの有名な元FRB議長のグリーンスパン氏も「自由競争主義に欠陥があった」と自らが率いたFRBの不作為に一定の原因があるとの認識を示しましたが、今更どうしようもありません。日本における「団塊の世代」の中には退職時期を迎え、その際受け取った退職金などを投資信託等金融資産に変えて保有している方々が大勢います。つつましい老後の暮らしをささえていくための原資が、自然な経済のバイオリズムというよりも、いわば「人災」によって、いとも簡単に毀損してしまう現実に愕然とします。

フランスのシラク元大統領曰く、「行き過ぎた新自由主義は、時代遅れだ」と断罪していますが、まさにそのとおりだと思います。「デリバティブ」のような金融商品の登場でこのような事態が起こるとその傷跡はますます深いものとなります。各国ともグローバル経済主義に身を置き、その看板をはずして後戻りができなくなっている現在、個人として私たち一人一人がどのように自身を守るのかというリテラシーを身につける必要性を痛切に感じます。21世紀は、富を「作る」時代ではなく、今までに作った富をいかに「安全・確実に保全」していくかが問われる時代になるのかもしれません。その意味で、私たち司法書士は成年後見分野等に関与する形で日本の高齢社会を支える役割を担うことから、資産保全については適切な知見をもつよう努力すべきだと思います。



(川原田 慶太)


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