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任意後見 自分で老後をデザインする手段

成年後見

2012.12.10

将来、自分の判断能力が低下したときに、どのようなことを望むのか、またそれを誰にお願いしたいのか、自由に内容を定めておくことができる制度があります。今回は、その「任意後見契約(にんいこうけんけいやく)」についてご紹介したいと思います。

「後見」 ・・・年少者などのうしろだてとなって補佐すること。また、その人。(広辞苑)

一般的には、手助け・サポートに近い意味で用いられる言葉ですが、民法では、高齢による認知症などで判断能力が不十分になった人を、裁判所により選任された後見人が援助する「法定後見制度」を意味します。

確かに、訪問販売による被害、年金を奪い取られるなどの経済的虐待など、高齢者にはトラブルがつきものです。通常、法定後見人は高齢者がこのような被害、虐待に遭ってから、配偶者や親族の申し立てにより選任されます。

しかし、こういった問題に直面する前に、対策を立てることはできないのでしょうか?その対策の一つが今回ご紹介する「任意後見制度」です。

少し細かい話になりますが、この任意後見制度は民法の特則として「任意後見契約に関する法律」に規定されています。

この制度は先に述べた民法上の「法定後見制度」の特則ではなく、民法上の「委任契約」の特則とされています。つまり、契約ができることを前提に、言葉を換えれば、判断能力に衰えがない時期に、それが現実に衰えた場合に備えて、自分が信頼できると思って選んだ人に判断能力が衰えた後の生活を支援してもらう契約をする、このような制度です。 そのため、この制度は「老い支度」と表現されることもあります。

さて、この任意後見制度は、‘契約’ つまり ‘委任する人と委任を受ける人との合意’によりその内容を決めるものですので、非常に柔軟性があります。

判断能力が低下したときに、どのような財産管理や療養・介護施設との契約などを望むのか、またそれを誰にお願いしたいのか、自由に内容を定めておくことができます。また、専門家のみならず親族を受任者として選任することはもちろんのこと、親族と専門家の双方の選任、複数の受任者の選任も可能です。

また、実際に判断能力が低下し後見人が就任すると、後見人は家庭裁判所に報告書を提出する義務が生じ、家庭裁判所が選任する後見監督人の監督のもとに置かれるため、任務の適性が確保されるというメリットもあります。

「老い支度」という言葉にはどこか寂しい響きがあります。 しかし、これまでに申し上げたように、任意後見制度は契約により自分の意思に基づき自己の老後を自由に設計できる仕組みになっています。

自分の考える生き方を貫き最後の最後まで自分らしくあるために、自分で老後をデザインしそれを実現するための手段として、この「任意後見制度」を積極的に利用してみてはいかがでしょうか。

(近澤 克大)

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