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司法書士法人 おおさか法務事務所

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借金問題への対処法(「債務整理」の方法について)

その他

2012.03.26

長引く景気低迷で収入が悪化し、借入金の返済について頭を悩めている方も少なくありません。


 
 

毎月の返済が苦しく早晩返済の目処が立たなくなる、あるいはすでに返済を滞納している、そういった場合に司法書士等の専門家にご相談されると、大体次のような流れで手続きが進みます。


 

まず、依頼者の負担している債務額を確定します。司法書士から借入先に対して債務整理開始の通知を送り、現在残っている債務額を通知してもらいます。


 
 

ここで注意しなければならないのは、依頼者自身が把握している債務額と実際の債務額が異なることがあるという点です。銀行等の金融機関は以前から法定金利内で貸付を行っていますが、消費者金融等は以前に違法金利で貸付を行ってきたケースがあり、この違法金利と法定金利の差額によって、債務が減額されたり、場合によっては払いすぎた利息が戻ってくるという、いわゆる過払金返還請求が発生します。


 

債務の減額、過払金の額などを計算し、現在の実際の債務額が確定した段階で、依頼者の支出入、保有資産、生活状況などをお伺いした上で、債務整理の方針を検討します。


 
 

債務整理の方法は、借入先と任意に話し合う「任意整理(にんいせいり)」と、裁判所を通して手続きを行う「自己破産(じこはさん)」、「民事再生(みんじさいせい)」の大きく三つに分かれます。


 

「任意整理」は、借入先と直接、債務の返済方法を協議する手続きです。概ね現在の債務を3年から5年で返済可能な場合には、この手法を検討します。例えば債務額が100万円である場合には、月々28000円から17000円程度の返済が可能であれば、任意整理での解決を図ります。


 
 

任意整理において注意しなければならない点は、この手続きはあくまで借入先との任意の話し合いによって進める手続きであるという点です。銀行やカード会社、大手の消費者金融等は協議に前向きに応じてもらえますが、中には一切協議に応じないという会社もあり、そういった場合には、次に述べる自己破産、民事再生といった手続きをとらざるを得ないケースもあります。


 

任意整理のメリットとしては、依頼者の生活に与える影響が少ないという点があります。借入先と合意した内容で返済可能であれば、自宅などの財産を手放す必要がなく、また、手続きも比較的容易に短期間で行う事ができます。


 
 

任意整理での解決が困難であるときには、裁判所に対して自己破産の手続を行います。自己破産の手続きに司法書士が関与する場合には、依頼者に源泉徴収票、預金通帳などの必要書類を準備していただき、司法書士が裁判所に提出する書類を作成するという流れで進めます。手続き自体は、それほど難しいものではありませんが、次のような点に注意が必要です。


 

まず、依頼者が自宅や新車などの高価な財産を保有している場合は、それを手放さなければなりません。また、依頼者の連帯保証人になっている方がいる場合には、連帯保証人に対して返済の請求がなされます。そのほか、手続きの通知は借入先全てになされるため、勤務先から前借金などの借り入れがある場合は、破産の事実が勤務先に知られてしまうこととなります。


 
 

しかしながら、上のような懸念がない場合には、生活に与える影響はそれほど大きくありません。債務は原則として全額免除されるため、金銭的なメリットは最も大きい手続きであるといえます。


 

なお、自己破産の通知は借入先になされるほか、官報に掲載されますが、一般の方が官報を見る機会はあまりないため、その影響を考慮する必要はほとんどないといえるでしょう。


 
 

最後に、民事再生の手続きですが、これは自宅などを処分せずに法的整理を行うものです。この手続きは原則として、住宅ローン以外の現在の債務額の5分の1を3年間(特別の事情がある場合には5年間)で支払うというものです。


 

例えば、自宅の資産価値が1000万円、住宅ローンが残り1000万円、その他の債務が600万円というケースでは、住宅ローンは今までどおり支払いを行い、その他の債務の5分の1の120万円を3年間で分割して支払うこととなります。


 
 

手続きとしては、最も要件が厳しく、安定した収入と確実な返済計画が求められます。住宅ローンを組んでいる場合に自己破産をすると、住宅ローンの返済が禁止されるため自宅を手放す必要がありますが、民事再生の手続きを選択した場合には自宅を保有したままの債務整理が可能です。


 

以上をまとめると、大まかに次のように手続きを選択することになります。


 
 

 (1)債務を3?5年で返済できる場合には、任意整理


 

 (2)住宅ローンが残っている場合に、住宅ローン以外の債務の5分の1を3?5年で返済できる場合には、民事再生


 
 

 (3)1.2.以外の場合は、自己破産


 

債務整理は、過去の経緯を見つめ直し、将来に向け生活再建を図る手続きです。決して後ろ向きに捉えることは無く、この機会に今後の生活状況、収支計画などをしっかりと考え、前向きに対処するという姿勢が大切だといえます。

(鈴山 展史)

 

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