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姓や名字の由来

その他

2013.04.01

皆さんは自分の名前についている名字の由来についてはご存知でしょうか。日本には沢山の種類の名字がありますが、実は「姓」をそのまま使用しているものと、平安以降に生まれた「名字」を名乗っているものに分けることができます。現代では同じように思われている「姓」と「名字」ですが、もともとは別のものだったのです。

明治になって戸籍制度が導入された際、政府は「姓」でも「名字」でも、どちらかひとつつだけを登録するようにしました。この時、多くの家は戸籍に「名字」を登録しましたが、なかには「姓」を登録した家も少なからずありました。

ちなみに、「姓」には大きく分けて次のような種類があるといわれています。

・賜姓皇族

天皇家には姓がありません。そこで、天皇家から分家して一家を興す際には、天皇から新しい姓を賜って独立するならわしでした。「源」「平」「橘」などの姓が有名です。

・古代豪族

天皇(大王)家から姓を与えられた豪族達は、姓によってその地位や役職を明らかにしていました。「蘇我」「物部」「大伴」などの大和地方の有力一族の姓のほかに、岡山県の「吉備」や群馬県の「毛野」などの姓が知られています。

・渡来人

4世紀以降、中国や朝鮮半島から多くの氏族が移り住みましたが、彼らも姓を持っていました。なかには朝廷で重要なポストを占めた一族もありました。

・神官

全国の有力神社には、それぞれ神事を司る一族があり、姓を持っていました。宇佐神宮(大分県)の「宇佐」、阿蘇神社(熊本県)の「阿蘇」、出雲大社(島根県)の「出雲」などがそれにあたります。

これに対して、現在、多くの人は「姓」ではなく「名字」を使用していますが、名字には以下のような種類があるといわれています。

・地名に由来する名字

日本人の名字で、最も種類が多いものです。古くは、その土地で成功を収めた有力者が、その権力を示すためにその土地の地名を名字としたり、出身地の地名を名字とすることがよくありました。

・地形や風景に由来する名字

地形や土地の様子、自然の風景などを名字にしたものです。ある土地に住んでいる人が、皆でその地名を名字にすると区別がつかなくなるので、他家と区別するために自分の家の場所の特徴を名字としました。日本の地形には山河が多く、また平地は可能な限り開墾して田畑にしていたために、「山」「川」「田」などのつく名字の数が非常に多くなっています。

・方位や位置関係に由来する名字

文字通り「東西南北」などの方位を表わす名字です。基本的には地形由来の名字と同じで、同じ土地の中での、自分の家の位置関係を示したものです。たとえば「西の方の村」だから「西村」や、南東を意味する「巽」など、種類はそれほど多くないのですが、名乗っている人は非常に多いのが特徴です。

・職業に由来する名字

江戸時代より以前は、職業は基本的には世襲されるものでした。そのため、自分の職業を名字とした例も多数あります。たとえば、犬や鳥の飼育などにたずさわっていた「犬養」や「鳥飼」、朝廷の金庫や倉庫(大蔵)を管理していた「大蔵」、荘園の管理をしていた「荘司」などがあるといわれています。また、お店の名前である屋号を、そのまま名字とする場合もあったそうです。

・藤のつく名字

日本で最も多い名字である「佐藤」をはじめ、「安藤」「伊藤」「江藤」「斎藤」など、下に「藤」のつく名字です。藤原氏から派生したものが多いと考えられています。

・僧侶の名字

僧侶は、もともと名字を持っていませんでした。しかし明治維新後は、僧侶も名字を持つことが義務づけられため、名字を名乗るようになりました。やはり仏教用語や経典にある言葉を名字として採用していることが多いようです。

以上のように、名字にも色々な由来があります。そもそも昔の名字は、公家であればどの家であるかを区別するために、武士であれば自らが所有する土地の所有権や権力を示すために、庶民の場合は比較的自由にその生活環境に合わせた名字を名乗ったものが多いなど、それぞれで名字のなす意味が違ったようです。

現代においては、昔のように名字を自由に名乗っていくことはできませんが、自分の名字を調べていくことによって、意外なルーツが発見されるかもしれません。戸籍を遡って読んでいくと、とりあえずはそこから2代3代ぐらい前までのことが読み取れていきます。普段は戸籍などは読む機会も少ないものですが、その内容がわかってくると、読むことも結構楽しいものとなるかも知れません。

ただし、戸籍を辿っていくことは、多大な労力と時間を必要とする場合がありますので、読解が難しい場合には、発行された役所によく聞いてみるか、普段から戸籍を扱っているような専門家にアドバイスを受けることもひとつの選択肢となるでしょう。

稲岡 万貴子

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