このページの先頭です

司法書士法人 おおさか法務事務所

COLUMNコラム

本文へジャンプします。

おおさか法務は見た!
実録コラム百科

ここから本文です

定期借地契約のメリットとデメリット

不動産

2012.02.01

土地を有効活用する方法として、人に貸して地代収入を得ることが考えられますが、そこには大きな問題があります。


 
 

土地の上に建物を所有することを目的とする「借地契約」は、法律上借り手(借地人)の保護が重視されており、契約期間が満了しても原則として契約が更新されることになっています。そのため、一度土地を貸してしまえば事実上返還を受けることが難しくなってしまうのが実情です。契約が更新されずに終了する場合でも、通常は借地人に立退料支払う必要があります。また、借地人は地主に対して借地上の建物の買取りを請求することができることになっており、地主は大きな負担を強いられることになります。


 

こうした状況から、上記のような地主の負担がない新しいタイプの借地契約が求められ、平成4年に施行された「借地借家法」で導入されたのが「定期借地契約」です。


 
 

<定期借地契約の意義>


 

定期借地契約とは、一定の要件を満たすことを条件として、期間満了時に借地契約が終了する契約をいいます。次の3種類があります。


 
 

1.一般定期借地契約


 

契約内容として、以下の定めをする借地契約です。


 
 

 1)50年以上の存続期間


 

 2)更新を認めない


 
 

 3)建物の再築による期間の延長をしない


 

 4)借地人が建物の買取請求をしない


 
 

戸建て住宅やマンションの敷地を借りる場合に利用されるのが典型的な例です。


 

2.事業用定期借地契約


 
 

以下の要件を満たす借地契約です。


 

 1)専ら事業の用に供する建物の所有が目的であること


 
 

 2)存続期間が10年から50年未満までの間で設定されること


 

 3)公正証書で契約すること


 
 

「事業の用に供する建物」の具体例としては、レストラン、工場、倉庫、給油所、公会堂、病院、校舎、保育所、建物と認められる駐車場などがあります。


 

「事業」には営利を目的とする事業のみでなく、公共的・公益的な目的の活動も含まれます。事業用であっても、居住の用に供するものは対象外とされており、アパート経営などは対象外です。


 
 

3.建物譲渡特約付借地契約


 

契約後30年以上を経過したときに借地上の建物を地主が買い取る旨の特約をするものです。建物の所有権が地主に移るとともに借地権が消滅します。


 
 

賃貸・分譲マンション、賃貸オフィスビル、戸建て住宅などに利用されます。


 

<定期借地契約のメリット>


 

【地主側のメリット】


 
 

 ・一定期間が経過すれば更地で返還されるため安心して貸すことができ、土地を手放さずに安定した収益を得られる。


 

 ・自分で建物を建ててそれを賃貸するのに伴う投資や手間、リスクを避けられる。


 
 

 ・更地を住宅地にすることにより固定資産税の負担を軽減できる。


 

【借り手側のメリット】


 
 

 ・土地取得費用をかけずにマイホームを建てたり、事業展開のための用地を確保できる。


 

 ・保証金が通常の借地契約よりも安い。


 
 

<定期借地契約のデメリット>


 

【地主側のデメリット】


 
 

 ・保証金が通常の借地契約よりも安い。


 

 ・相続時の土地の評価額は通常の借地よりも高くなる。


 
 

【借り手側のデメリット】


 
 

 ・契約満了時に必ず土地を明け渡さなければならない。


 

 ・建物の解体費用を負担しなければならない。


 
 

これらのほか、制度の導入から日が浅いため、契約満了時など、将来どのようなトラブルが発生するか予測が難しい面もありますので、注意が必要です。


 

土地の有効利用をお考えになる際、また、マイホームや事業用地をお探しの際には、以上のようなメリット・デメリットを踏まえたうえで、定期借地契約の利用も一つの選択肢として検討されてみてはいかがでしょうか。

早川 武

この記事を書いた人

早川 武

お問い合わせ

オンライン相談