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司法書士法人 おおさか法務事務所

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後継者のためのキャリア形成 おおさか法務事務所の事業承継(3)

事業承継

2012.10.22

この事業承継に関するコラムも「事業承継と士業の関わり方 」「後継者のための財務知識 」に引き続いて3回目となりましたが、初回において私は企業の後継者にとっての事業承継に関し、以下のように定義しました。

「事業承継とは、超友好的な会社の乗っ取りである。」

これは、私が所属する「後継者軍師会」が共有する事業承継に関する定義です。事業を承継することを心のどこかで「上から降ってくる相続」と思いがちな後継者さんの受け身な姿勢につき、生き残りをかけて真剣に経営に関与するんだという、積極的かつ強い姿勢へ180度の転換を迫るという目的で、激しい表現を用いています。

中小企業は、大企業とは異なり、ほんの些細なことでもそれが命取りで致命傷を負います。いくら外部から、「あそこは盤石だ」と言われている会社であっても、その創業者や現役社長はそうは思っていないことが多くあります。財務状態やビジネスモデル、マーケットの動向、そして人・組織の中のちょっとした変化に目を光らせ、何か変化があれば矢継ぎ早に手当てを施していく。そういった野性的ともいえる感覚の萌芽のようなものを後継者が持つためには、「会社はオレのモノなんだ」という日和見的な立ち位置からのパラダイムシフトが自己の中で起こる必要があるのです。

それでは、このような「感覚の転換」が後継者の内に起こり、自身に心のスイッチが入るためには、どういったことが要素となるのでしょうか?

その重要な一つは、後継者に「キャリア」について再考してもらうことです。初回のコラムにおいて、「後継者は、昔から社長たる父親の跡を継ぐことを周りから半ば強制されているようなところがあるので、自分自身の人生を生きている実感を持ちにくいのではないか」と書きました。そのような中にあって、自分が会社を継ぐことに関して何か「宿命」のように捉えがちで、なかなか心のスイッチが「オン」になる契機は少ないといえるでしょう。

そこで、私が後継者の方々と事業承継に向けて一緒に取り組む一番初めの協同作業として、会社や従業員、家族や取引先といったことをいったん全て忘れ、ゼロベースから後継者のキャリアについて考えるということをします。本当にこのままいって会社を継いでよいのか、「会社経営者」という職種でよいのか、それが自分に向いているのか・やりたいことなのか、そもそも自分は何が好きでどんなことが得意なのか、といった自分の本来の能力や気持ちの部分を、心理学などのアプローチを交えながら明らかにしていきます。そうすると、後継者の方々の中には、自分が会社を継がないなんていう選択肢については考えたことすらなかった、という人も現れてきて、色々な反応が起こります。個人事業も面白そうだ、こういった会社に就職すれば自己実現できそうだ、など、その思いを様々に膨らませます。中には、本当にそういったキャリアの転換を図る人も出てくるかもしれません。しかし、それはそれで、会社経営者としての適性やその人自身の人生に対する価値観を反映したものですから、周りも納得せざるを得ないでしょう。

いずれにせよ、このキャリア再考を通じて、今の自分自身がおかれている「後継者」という立場がいかに恵まれていて、特殊な位置にいるのかということの再確認の意味を果たすことがほとんどです。社会において認知され、一定の機能を果たしている組織を、始めから掌握しうる立場のありがたさを再確認することこそ、後継者の心に静かに灯をともす重要な契機になると感じます。

(川原田 慶太) 

→「事業承継と士業の関わり方 おおさか法務事務所の事業承継(1)」

→「後継者のための財務知識 おおさか法務事務所の事業承継(2)」

→「事業承継」について問い合わせる

川原田 慶太

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