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司法書士法人 おおさか法務事務所

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相続手続きをスムーズにする「遺言執行者」の選び方

遺言

2013.02.25

遺言書で「遺言執行者(いごんしっこうしゃ)」を選任することで、相続手続きが非常にスムーズに行うことができることを皆様ご存知でしょうか?

不動産の相続登記を申請する際や、金融機関から預貯金の払戻しを受ける際の「相続届」への押印などの手続きでは、通常であれば相続人全員の協力が必要とされます。

しかし、法律では、「遺言執行者は、相続人の代理人とみなす」(民法1009条)とされています。このため、上記のような手続きの際に、押印は遺言執行者のもののみでよいとされるなど、様々な手続き上の優遇を受けることができます。ですので、遺言執行者を選任しておくことは非常に有益なことだと考えます。

では、遺言執行者には、どのような人を選任すべきなのでしょうか。

まず、法律では、「未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない」(民法1009条)と、遺言執行者の欠格事由について定めています。

つまり、逆に言えば、遺言執行者に就任するときには、未成年と破産者であるものを除き、相続人であれ、法人であれ、なることができるとされています。また、一人に限らず、複数でもよいとされています。

次に、遺言執行者が何をする人なのか(職務)や、何ができるのか、何をしなければならないのか(権利義務)については、次のように定められています。

「遺言執行者は、その就任を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない」とされており(民法1007条)、その就任後に速やかに相続人その他の利害関係人に対し、遺言執行事務の流れを適切に説明し、遺言執行者に就任した旨を通知をすることが望ましいとされています。

そして、遺言執行の内容が遺言者の財産の処分に関する事項の場合には、「遺言執行者は遅滞なく相続財産の目録を作成して、相続人に交付」しなければなりません(民法1011条)。そのため、遺言執行者は、相続人を調査したり、相続財産を調査する必要があります。その際、相続人から相続関係についてや、遺言者の有していた不動産や預貯金、株式、国債等の有価証券、賃貸借関係等その他の債権・債務関係について事情を聴取する必要もあります。

この目録の作成後は、遺言書の内容を順次実現していくことになります。例えば、不動産であれば、相続登記を法務局へと申請することになり、また預貯金であれば、各金融機関に対して預貯金の払戻しを請求することになります。遺言執行者が就任している場合は、相続人が勝手にこれらの遺言執行対象の相続財産の処分をすることはできなくなります。このように遺言書の内容を全て実現した後には、「遅滞なくその経過及び結果を相続人に報告しなければならない」(民法645条、1021条2項)とされています。

遺言執行者が選任されていると、相続手続き全体については、簡素化され、スムーズに行うことができるようになります。しかし、上記にあるように、遺言執行者自身には、相続人に事情を聴取したり、相続人や相続財産の調査をしたりと様々な職務をする必要が生じます。そのため、相続人間が不仲な場合や疎遠な場合、また相続人間で相続する財産の額が著しい差があり揉めそうな場合は、遺言執行者の仕事は簡単ではなくなってきます。また、遺言執行者に選任される方が平日仕事をしていて時間が取れそうにない場合や、ご高齢で手続きが難しいような場合なども、遺言執行者として動くことが難しいケースが出てくるでしょう。

そのような場合には、専門家を遺言執行者として選任するということも検討されてみてはいかがでしょうか。

(西川 宜輝)

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西川 宜輝

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