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休眠口座の危険性

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|更新日:2022.12.11

投稿日:2012.05.07

皆様は銀行口座をいくつお持ちでしょうか?

ほとんどの方が、2つ以上の口座をお持ちだと思います。なかには「給与振り込みがされるA銀行、貯蓄用のB銀行、クレジット引き落としがされるC銀行、そういえば銀行員の友達に頼まれてD銀行にも口座を作ったことがある、昔していたアルバイトの給与が振り込まれていたE信用金庫にもまだ口座を持っていたような・・・思い出せないが他にもまだあるような気がする・・・」というように、全部でいくつあるのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、ペイオフ対策で各行1口座ずつで資産を分けているという方もいらっしゃるでしょう。

クレジットカードと異なり年会費がかからないため、ほとんど使わない銀行口座はその存在を忘れてしまいがちです。

しかし入出金のない状態が10年以上続くと、多くの銀行ではその口座は「休眠口座」となり、一時利用停止の状態になってしいます。

さらに一部の銀行では休眠口座を管理するという名目の手数料がかかることもあります。

そして、休眠口座からの預金引出しをするには、ATMでは取扱いができないため、窓口での手続きが必要になります。

さらに払い戻しをしないまま5年(信用金庫では10年)経過するとその預金債権は消滅時効にかかり、口座に残っていた預金は最終的には実質的に銀行のものになってしまいます。

おかしな話ですが、実際の取扱いを考えるとやむを得ないのでしょう。

ただし、10年20年経ったあとでも、払戻請求があれば銀行は支払拒否はしていないようです。銀行の利益になるというのは、あくまで何もしなかったときの話です。

休眠口座になっている預金の総額は日本全体で年間約800億円にも上ると言われており、この預金を東日本大震災の復興支援、あるいは資金が十分でないベンチャー企業やNPO法人などの支援に活用したいという趣旨の政府の発言があったことで、最近注目されています。(実は海外では既に休眠口座の活用は行われており、イギリスでは15年以上にわたって取引がない場合は社会福祉目的で利用するための仕組みができています。)

上記のように、休眠口座になってしまうと預金の引き出しが不便になるだけでなく、最悪の場合は他の誰かのものになってしまうかもしれません。

いま現在ご健在の方は、今後の口座管理をきっちりしておくことで、休眠口座になるリスクは回避できるでしょう。

しかし、口座の整理をする前に不幸にも突然亡くなってしまった、あるいは認知症を発症してしまったという場合はどうでしょうか。

通帳などが残っていれば銀行も対応してくれますが、何もない場合はまず探しようがありません。

特に大手銀行の場合は日本中に支店があるわけですから、何千万という銀行口座から住所・氏名だけで口座を探し出すのは不可能に近くなります。

誰にも発見されることなく、ひっそりと銀行に残ったままの資産・・・誰かのものになってしまうのは、納得がいかない場合もあるでしょう。

このようなことを避けるために、銀行口座をいくつ持っているのか、またその機会に、他にご自分の資産はどのようなものがあるのか、一度整理してみてはいかがでしょうか。

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内藤 佳織

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