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新型コロナウィルス感染症に伴う 取締役会、株主総会の対応

企業法務

|更新日:2022.10.22

投稿日:2020.05.14

新型コロナウィルス感染症の流行拡大に伴い、感染リスク回避のため、リモートワークが急速に広がっています。そのような中、「多人数が同一の場所に会することとなる取締役会や株主総会をどのように開催すべきか」とのお問い合わせが弊社にも多数寄せられております。

特に3月決算の会社は多く、新型コロナウィルス感染症の影響により、決算業務の難航や関係者の健康と安全の観点から、5月または6月に開催する定時株主総会への対応について、苦慮されている会社も多いとお聞きします。

そこで、本記事では新型コロナウィルス感染症の流行拡大に伴う感染リスク回避のための、取締役会、株主総会の開催に関する留意点について記載させていただきます。

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取締役会

  1. テレビ会議システム等を利用した取締役会の開催はできるか
  2. 取締役会を開催せずに取締役会を開催したものとみなすことができるか
  3. 委任状による取締役会への出席に問題はないか

株主総会

  1. 株主総会の延期はできるか
  2. 株主総会を開催せずに株主総会を開催したものとみなすことができるか
  3. オンライン等を利用した株主総会の開催はできるか
  4. 委任状による株主総会への出席に問題はないか
  5. その他

取締役会

(1)テレビ会議システム等を利用した取締役会の開催はできるか

テレビ会議システム、電話会議システムを利用した取締役会の開催は可能です

会社法上、取締役等が取締役会の開催場所に物理的に出席しなければならないものとはされていません。テレビ会議システム、電話会議システムを利用した取締役会の開催も可能です。

注意点

各種会議システムを利用する場合には、各取締役の発言が即時に他のすべての取締役に伝わるような即時性と双方向性とが確保され、遠隔地取締役を含む各取締役が一堂に会するのと同等に自由に協議ないし意見交換できる状態になっていなければなりません。例えば、取締役会が開催されている場所にいない取締役に電話して、その意見を聞きながら議事を進めるような場合は、要件を満たさないことになります。

(2)取締役会を開催せずに取締役会を開催したものとみなすことができるか

「定款に記載」がある場合のみ、決議事項の内容やそれまでの審議状況等から取締役会を開催せずに決議があったものとみなす方法(書面決議)をとることも可能です

【書面決議成立までの流れ】

  1. 取締役会の決議事項を取締役(及び監査役の権限が業務監査権限まである場合には、監査役)全員に書面またはメール等の電磁的記録により提案
  2. 取締役の全員から書面またはメール等の電磁的記録による同意の意思表示(及び監査役の権限が業務監査権限まである場合には、監査役が異議のない旨の意思表示)= 取締役会の決議があったものとみなされます。

また、取締役(及び監査役の権限が業務監査権限まである場合には、監査役)の全員に対して取締役会に報告すべき事項を通知したときは、取締役会への報告を省略することが可能です

注意点

代表取締役等は、3カ月に1回以上、自己の職務の状況を取締役会に報告しなければならず、当該報告については、取締役会への報告の省略は認められません。そのため、3カ月に1回以上は、取締役会を開催しなければならないことになります。この場合は、(1)での各種会議システムを利用した取締役会の開催を検討すべきことになります。

(3)委任状による取締役会への出席は問題ないか

取締役会への出席を、他の取締役を含む第三者に委任することはできません。そのため、委任状により取締役会に出席することはできません

株主総会

(1)株主総会の延期はできるか

株主総会を延期することは可能です。

会社法上、定時株主総会は、事業年度終了後一定の時期に招集しなければならないと規定されているだけで、決算後3ヶ月以内に必ず開催しなければならないとされているわけはありません。

実務上、税申告との関係で、多くの会社が事業年度末日から3ヶ月以内(または2ヶ月以内)に定時株主総会を開催すると定款に定めて、運用しています。

当該定めに関しては、天災等その他の事業によりその時期に定時株主総会を開催できない場合には、当該状況が解消された後、合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りると考えられています。

一方で、定時株主総会が延期された場合には、株主が予定されていた時期に配当を受け取れないということが起こりえます。この点につき、金融庁や経団連などでつくる協議会は、開催日程の延期に加え、配当⾦の決議と決算の承認とを別の日に行う2段階実施も可能、という声明文を出しました。

たとえば、6月末までの株主総会で取締役選任や配当など決算以外のことを決議し、改めて開く株主総会(継続会)で決算についての承認を得るという実施方法が可能になります。

なお、定時株主総会が延期された場合には、決算が確定できないため、税金の申告期限の延長も必要となります。

(2)株主総会を開催せずに株主総会を開催したものとみなすことができるか

取締役会と異なり、定款に記載がなくても、株主総会を開催せずに決議があったものとみなすことが可能です

書面決議成立までの流れ

  1. 株主総会の決議事項を株主全員に書面またはメール等の電磁的記録により提案
  2. 株主の全員から書面またはメール等の電磁的記録による同意の意思表示=株主総会の決議があったものとみなされます。

また、株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知し、報告することを要しないことについて、株主の全員が書面またはメール等の電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなすことが可能です

(3)オンライン等を利用した株主総会の開催はできるか

取締役や株主等が一堂に会する物理的な場所で株主総会を開催する一方で、株主総会の会場に在所しない株主が、インターネット等の手段を用いて遠隔地から出席することによる株主総会を開催することも可能です

【注意点】株主総会の開催場所と株主との間で情報伝達の即時性と双方向性が確保されている必要があります。

(4)委任状による株主総会への出席に問題はないか

株主総会に出席できない株主が、代理人によって議決権を行使することは可能です。

(5)その他

法務省と経済産業省において、株主総会の運営上想定される事項についての考え方を「株主総会運営に係るQ&A」においてまとめています。

以下、一部抜粋させていただきますので、詳細は経済産業省のHP(https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai_qa.html)をご確認下さい。

Q1.株主総会の招集通知等において、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために株主に来場を控えるよう呼びかけることは可能ですか。

(A)可能です。

Q2.会場に入場できる株主の人数を制限することや会場に株主が出席していない状態で株主総会を開催することは可能ですか。

(A)可能です。

Q3.Q2に関連し、株主総会への出席について事前登録制を採用し、事前登録者を優先的に入場させることは可能ですか。

(A)可能です。

Q4.発熱や咳などの症状を有する株主に対し、入場を断ることや退場を命じることは可能ですか。

(A)可能です。

Q5.新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるために、株主総会の時間を短縮すること等は可能ですか。

(A)可能です。

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