話題のドラマ「俺の家の話」を司法書士が解説!(第7話:認知症の進行と資産の管理について解説!)
贈与成年後見
|更新日:2022.10.15
投稿日:2021.03.12
宮藤官九郎さん脚本の金曜ドラマ「俺の家の話」。
今回は第7話のお話です。
物語も、いよいよ終盤にさしかかりますね。
なんとなく専門的なことより、盛り上がってきた人間模様のドラマの、 感情の起伏なんかがどうしても気になっちゃうのですが・・・。
ただ、そこはそれ、やはり本コラムでは
あくまで 客観的な視点から お届けしていきたいと思います。
第7話: 認知症の進行 と 資産の管理について
どうやら、じゅじゅこと 寿三郎さんの介護の度合いが、少しずつ進行していっているようです。
体調を崩して入院をするなど、いつもと違う環境で長く過ごすようなタイミングで認知症の症状が進むことは、寿三郎さんに限らず、実際の成年後見の現場でもよく起こっているケースです。
認知症の状況判断には、いくつかの方法があります。
ドラマの最初の方で登場したのは、「長谷川式」と呼ばれる簡易なテスト。
特定の言葉を覚えたり、野菜の名前を答えたり、簡単な計算をしたりして、合計点を測定するものです。
ちなみに、この長谷川式を開発した 長谷川先生ご自身が、後年になって認知症の診断を受けられることになり・・・。
患者となった立場から、世界がどのように見えるかなどを講演会や書籍で報告されています。
読まれてみると、認知症の患者さんへの理解が 少し変わる部分もあるかもしれません。
あるいは、今回の話でも登場してきたように、脳の画像診断で医師が委縮の箇所を 確認するという場合もあります。
明らかな萎縮がみられる場合は、部位によっては、だんだん感情を抑えるのが難しくなってきたりして、まわりの家族などに、さらに負担がかかることも。
今回、寿三郎さんが いろいろと疑われた ように認知症の症状が進むと、直前の記憶が曖昧になったり、短期の記憶が本人では制御できないレベルで書き換えられたり、といったことが起こってきます。
そういった状態にある場合はいくら周囲が証拠を見せてみたり、 論理的に説明を尽くしたりしたところで、そもそもの本人の記憶自体が 把握の難しい状態になっているので、不毛なやりとりになりかねません。
寿一さんたちのように、ひとつ屋根の下で、介護をしながら財産や資産を管理するのは大変なことです。
尽くしている人にいろいろと疑われるのは、悔しい気持ちもあるなかで、とても難しい問題です。
そして、もし仮に、今回じゅじゅが疑われたように大事な財産を、誰かに渡してしまっていた場合。
それが、認知症の進行などによる 判断能力の低下が原因で、しっかりと 医師の診断も出ている場合には、法律上の手続きをとることによって取り消しできるようなケースもあります。
例えば、ちはる(田中みな実)さんに能面をあげた行為自体が、そもそも取り消されることがあるということですね。
(もちろん、じゅじゅの判断能力がはっきりしていないという前提で)
該当するようなケースが心配される場合は、
いちど専門家に相談されてみることをおすすめします。
まとめ
今回は、認知症の進行についてのお話を中心にお届けしました。
わたしたちは、介護やご相続にまつわるお悩みをサポートする専門家として、じゅじゅのように、親身に見てくれるご家族がいらっしゃるご家庭のケースだけでなく。
ご親族のおひとりに介護の負担が集中している状況や、さまざまな理由から、ご親族には頼みにくい方へのサポートもさせていただいています。
ドラマもフィナーレに向けて、今後どんな展開をするか目が離せません!
引き続き、第8話も本コラムをお送りできれば幸いです。
★ 引き続き 第8話 のコラムを読みたい方は こちら
【 第8話「 主たる介護者のケガや病気による介護への影響と対策 」 】
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