遺言を撤回するための方法と注意点|杠司法書士法人|相続・遺言書や後見、企業法務のご相談 このページの先頭です

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遺言を撤回するための方法と注意点

遺言

|更新日:2022.12.5

投稿日:2012.12.03

撤回の自由

作成された遺言書の内容を変更したいときは、新しい遺言書を作成することにより、いつでも遺言の全部又は一部を撤回することができます。

遺言書の方式には以前のコラムで紹介している通りいくつか種類がありますが、初めに作成された遺言書と撤回するための遺言書の方式は同一である必要はありません。例えば、公正証書遺言を自筆証書遺言の方式で撤回することができます。

撤回したものとみなされる事由

遺言者が遺言の趣旨と抵触する行為をした場合にも、作成していた遺言は本人の最終の意思を反映したものとはいえませんので、抵触する部分を撤回したものとみなされます。民法には、以下のような場合の規定が定められています。

1.前の遺言と後の遺言の内容が抵触している場合

前の遺言で「不動産は長男に相続させる」としていたが、後の遺言で「不動産は次男に相続させる」となっている場合、抵触する不動産の相続に関する部分について後の遺言が有効となり、前の遺言は撤回したものとみなされます。抵触していない部分については前の遺言の効力が残ります。

2.遺言とその後の財産の処分行為等が抵触している場合

不動産は長男に相続させる」という遺言書を作成した後、その不動産を別の者に売却した場合も1.と同じように、抵触する部分について遺言を撤回したものとみなされます。たとえ遺言者が遺言の内容を忘れていた場合であっても、撤回したとみなされますので注意が必要です。

3.遺言書を破棄した場合

遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分について撤回したものとみなされます。

この場合は2.と違い、「故意」に破棄した場合のみ撤回したものとみなされますので、例えば遺言書であることを認識せずに燃やしてしまっても、燃え残った部分で内容がわかるときは有効な遺言書となります。

また、公正証書遺言の場合、原本は公証役場に保管されていますので、お手持ちの遺言書の正本や謄本を破棄されても、遺言を撤回したことにはなりません。

撤回の撤回

遺言書は何度でも作り直すことができます。注意していただきたいことは、撤回する旨の遺言をさらに撤回する遺言書を作成されても、以前の遺言の内容は復活しないということです。

判例の中には復活を認めた例もあるのですが、遺言の内容を復活させたいのであれば、改めて復活させたい遺言どおりの内容の遺言書を作成し直した方がいいでしょう。

遺言書は書き直せる

毎年決まった時期に遺言書を見直している方もいらっしゃいます。遺言書の作成に慎重になってしまう方も多いと思いますが、後から気持ちや経済状況が変わったりしたときには書き直すことができますので、一度今までの人生を振り返り今のお気持ちを遺言に残されてみてはいかがでしょうか。

また、すでに遺言書を作成されている方も、遺言書作成時からご自身のお気持ちや財産の内容が変わっていないか、見直してみてください。

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