相続手続きの代行を依頼するならどこ?代行先一覧や選ぶ基準を解説
相続
投稿日:2024.09.27
相続手続きは、遺産の分割や税金の申告など、さまざまな手続きを行わなければなりません。
特に、初めて相続を経験する方にとっては「できれば誰かに代行してもらいたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
相続手続きは、司法書士や弁護士、行政書士、税理士などに依頼できますが、それぞれ対応している分野が異なります。
この記事では、相続手続きの代行を依頼する際の候補先と選ぶ基準について解説します。
相続手続きは複雑で手間がかかるので代行するのが一般的
相続手続きは、書類の準備や各種申請など、複雑で手間がかかります。
そのため、専門家に代行を依頼するのが一般的です。
たとえば、相続手続きとして、以下があります。
- 遺産分割協議書の作成
- 相続登記
- 相続放棄の申述
- 相続税申告
こうした手続きには法的な知識や経験が必要であり、誤った手続きを行うと相続人全員に不利益が生じる可能性があります。
特に、不動産の名義変更や相続税の申告などは、複雑な手続きが伴います。
専門家に依頼することで、正確かつ迅速に手続きを進められるのは大きなメリットです。
また、相続手続きは感情的な問題が絡むことが多く、相続人間でのトラブルが発生しやすいです。
専門家が中立的な立場で調整役を務めることで、相続人全員が納得できる形でスムーズに手続きを進めることができます。
相続手続きを代行した方が良いケース
相続手続きを代行した方が良いケースには、以下の7つがあります。
- 相続手続きをする時間がとれそうにない
- 相続対象の財産が何なのかいまいち把握していない
- 相続人同士あまり関わりたくない、仲が悪い
- 相続人同士で遺産分割を争っている
- 相続すべきか・相続放棄すべきかどうかを悩んでいる
- 状況が特殊で、一般的な流れで相続手続きができそうにない
- 親族関係が非常に複雑(法定相続人の把握が難しい)
次からは、相続手続きを代行すべきケースについて、詳しく見ていきましょう。
相続手続きをする時間がとれそうにない
相続手続きは、書類の準備や相続人全員との日程調整など、手間と時間がかかります。
そのため、ご自身の仕事や家事などで忙しい方は専門家に代行を依頼するのがおすすめです。
特に、相続人が複数いる場合は、全員の合意を得るための調整が必要です。
専門家に依頼することで、こうした手続きをスムーズに進めることができます。
相続対象の財産が何なのかいまいち把握していない
相続財産には、不動産や預貯金、有価証券、保険金などがあり、自分で全てを把握するのは困難です。
専門家は、こうした財産を正確に調査し、適切な手続きを進めるためのアドバイスができます。
たとえば、相続人が複数の不動産を相続する場合、それぞれの不動産の評価や名義変更手続きを行わなければなりません。
また、有価証券や預貯金についても、各金融機関との手続きを進める必要があります。
専門家はこうした手続きを一括して行い、相続人がスムーズに相続手続きを進められるようサポートします。
相続人同士あまり関わりたくない、仲が悪い
相続手続きは、相続人間で意見が対立し、トラブルに発展してしまうケースが少なくありません。
特に、相続人同士の関係性が複雑であったり、財産に関する考え方が異なったりする場合は、専門家のサポートが必要不可欠です。
専門家は、中立的な立場で相続人全員と話し合い、それぞれの意見を尊重しながら、円満な解決を目指します。
また、法律的な観点から公平な遺産分割を提案し、相続に関するさまざまな手続きを代行することで、相続人の方々の負担を軽減します。
相続人同士で遺産分割を争っている
遺産分割の際に相続人間で意見の対立が生じることは少なくありません。
このような相続人同士で争いがある場合、弁護士のような専門家に依頼することで、公平かつ円滑に遺産分割を進められます。
たとえば、相続人間で遺産の分割割合について意見が分かれる場合、専門家が仲裁に入り、公平な立場で遺産分割協議を進めます。
専門家が法的な観点から適切にアドバイスをすることで、相続人全員が納得できる形で遺産分割できるのがメリットです。
相続すべきか・相続放棄すべきかどうかを悩んでいる
相続には財産だけでなく、借金といった負債も含まれるため、相続することで負担が増える場合もあります。
相続すべきか、放棄すべきか悩んでいる場合は、専門家に相談するのがおすすめです。
たとえば、「不動産を相続したいけれど、同時に多額の借金も背負わなければいけない」という場合は、相続放棄や限定承認といった選択肢があります。
このような場合でも専門家は、相続人が適切な判断を下せるようサポートします。
また、相続登記・相続放棄の手続きには法的な期限があるため、手続きを代行してもらうことで、期限内に確実に手続きを完了できて安心です。
状況が特殊で、一般的な流れで相続手続きができそうにない
海外に住んでいる相続人がいる場合や、未成年の相続人がいる場合など、個別の状況に対応するためには専門家の知識が必要です。
このように特殊な状況にある場合、専門家である司法書士のサポートを受けることで、適切な手続きを進めることができます。
たとえば、相続人が海外に住んでいる場合、相続手続きには国際的な法律や規制が関わるため、司法書士のサポートが必要です。
また、未成年の相続人がいる場合は、特別代理人の選任や財産管理の手続きを進めるための専門的な知識が必要です。
司法書士は、こうした特殊な状況に対応するための手続きを円滑に進めるためのサポートがでます。
親族関係が非常に複雑(法定相続人の把握が難しい)
被相続人が複数回結婚している場合や、認知された子供がいる場合など、親族関係が複雑なケースでは、法定相続人を把握することが難しくなります。
このように親族関係が複雑な場合、専門家に依頼することで、法定相続人の把握や手続きがスムーズに進められます。
法定相続人を正確に把握することは、相続手続きにおいて基本となる重要な作業です。
専門家は、戸籍謄本や住民票などの書類を収集し、正確な法定相続人を確定させるための手続きを代行します。
正確な相続人が把握できれば、遺産分割が円滑に進められます。
相続手続きの代行先一覧!対応できること・できないこと
相続手続きを進める際には、専門家のサポートが不可欠です。
以下の表は、司法書士や弁護士など、各専門家や機関が対応可能な手続きの範囲をまとめたものです。
<画像>
以下からは、各相続手続きの代行先について詳しく見ていきましょう。
司法書士
司法書士は、不動産の名義変更(相続登記)や遺産分割協議書の作成など、相続手続き全般に対応できます。
特に、不動産に関する手続きに強みがあり、遺産分割協議書の作成や相続放棄の申述サポート、生前対策などを行います。
弁護士も相続登記を行うことは可能ですが、実務として取り扱うケースは少ないため、専門性を求めるなら司法書士に依頼するのが最適です。
ただし、相続税の申告や紛争の解決はできません。
司法書士の業務範囲を正確に理解し、適切な手続きを依頼することが重要です。
対応できること | 対応できないこと |
---|---|
・不動産の名義変更 ・金融機関の相続手続き ・遺産分割協議書の作成 ・相続人・財産調査 ・相続放棄の申述 ・生前対策 ・遺言書の作成・検認 ・任意後見契約の作成 |
・相続税申告 ・紛争の解決 ・車やバイクの名義変更 ・許認可手続き |
弁護士
弁護士は、相続に関する法律問題全般を取り扱います。
特に、相続人間の争いや紛争の解決に強みがあります。
基本的に弁護士の権限は「法に関わるもの全てにおいて制限はない」とされているため、相続税の申告や不動産の名義変更、その他を含め対応権限を持っています。
しかし、これらの項目は不得手のため対応されないことが多いのが実情です。
対応できること | 対応されないことが多い項目 |
---|---|
・遺産分割協議書の作成 ・相続人・財産調査 ・相続放棄の申述 ・生前対策 ・遺言書の作成 ・紛争の解決 |
・相続税申告 ・不動産の名義変更 ・車やバイクの名義変更 ・許認可手続き |
行政書士
行政書士は法律関連の書類作成の専門家であり、相続に関する書類作成の代行やアドバイスをします。
書類作成だけで十分な場合や、特にトラブルが発生する可能性が低い場合には、行政書士に依頼するのも良い選択です。
ただし、弁護士のような法的トラブルの解決は業務上行うことができないため、争いに発展する可能性が高い場合は弁護士に依頼することをおすすめします。
対応できること | 対応できないこと |
---|---|
・金融機関の相続手続き ・車等その他の相続手続き ・遺産分割協議書作成 ・遺言書作成 ・車やバイクの名義変更 |
・相続税申告 ・紛争の解決 ・不動産の名義変更 |
税理士
税理士は、税金に関する専門家です。
相続税の申告や税務相談、生前対策などの業務に対応します。
相続相談のなかで、特に相続税の申告については税理士が専門にしています。(弁護士も対応可能な権限を持っていますが、不得手のため対応されないことが多いのが実情です)
相続財産が多額の場合や節税対策を講じたい場合に依頼するのが一般的です。
ただし、不動産の名義変更や紛争の解決、車やバイクの名義変更は行えません。
対応できること | 対応できないこと |
---|---|
・相続税申告 ・税務相談 ・生前対策 |
・相続税申告以外の業務 |
金融機関
金融機関でも相続代行のサービスを行っているところが増えています。
ただし、実務を行うのは提携している司法書士や税理士であり、銀行はその窓口です。
専門家に支払う費用と銀行に支払う手数料が発生するため、一般的に費用が高くなる傾向があります。
相続手続きを窓口としてサポートしてもらいたい場合に利用すると便利です。
対応できること | 対応できないこと |
---|---|
・金融機関の相続手続き | ・実務全般(専門家に依頼) |
相続手続きの代行先を選ぶ基準
代行先によって、相続手続きで対応可能な範囲が決まっています。
自分が抱えている相続手続きの内容に合わせ、代行先を選ぶことが大切です。
どの専門家に代行を頼めば良いのか分からない場合は、以下の基準を参考にしてみてください。
相続人間で争いごとがない、一般的な相続手続き代行であれば司法書士
相続人間で争いがなく、一般的な相続手続きを代行してもらいたい場合は、司法書士への依頼が最適です。
司法書士は、不動産の名義変更や遺産分割協議書の作成、相続放棄の申述サポートなどの手続きに強みがあります。
また、コスト面でも弁護士に依頼するよりもリーズナブルな場合が多いです。
遺産分割で争い事や裁判沙汰になっているのであれば弁護士
遺産分割で争いごとや裁判沙汰になっている場合は、弁護士に依頼するのが適切です。
弁護士は、紛争の解決や法的なトラブルに強みがあります。
特に、相続人間での意見の対立やトラブルが予想される場合は、弁護士のサポートを受けることで適切な解決を図ることができます。
相続手続きは代行を検討するのがおすすめ!
この記事では、相続手続きを専門家に代行依頼するべきケースや選ぶ際の基準について解説しました。
相続手続きは多くの時間と労力を必要とするため、専門家に代行を依頼するのがおすすめです。
特に、相続人間での争いや複雑な手続きが予想される場合は、専門家に相談することが大切です。
相続手続きを代行してもらうことで、相続人全員が納得できる形で安心して相続を進めることができます。
忙しい方や手続きを全て任せたい方は、ぜひ「杠(ゆずりは)司法書士法人」にご相談ください。
安心して相続手続きを進められるようにサポートします。
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