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相続登記にはどれくらいの期間がかかる?流れやスムーズに進めるポイントを解説

相続

投稿日:2025.03.25

相続登記とは被相続人(亡くなった人)から不動産を引き継ぐ際に、所有者を変更する手続きのことです。

相続のときにしか行わない手続きなので、どのくらいの期間が必要なのか予測できないという方も多いのではないでしょうか。

相続登記は、必要書類の準備や関係者との調整に時間がかかる場合もあり、スムーズに進めるためには事前の知識が重要です。

特に、2024年から相続登記が義務化されたため、期限内に手続きを完了させる必要があります。

この記事では、相続登記にかかる期間や必要な準備、注意したいポイントについて解説します。

記事監修
杠(ゆずりは)司法書士法人

大阪・兵庫・京都・東京を拠点に、相続手続き・遺言書作成・家族信託契約などのサポートから企業法務まで、専門のチームで対応しております。税理士や他業種との連携により、相続問題をワンストップで解決!相続関連の相談件数は年間400件超。

相続登記完了までの期間は平均1~2か月

相続の開始から相続登記が完了するまでの期間は、一般的には1~2か月とされています。

ただし、これは相続関係が複雑でなく、書類収集もスムーズに済んだ場合の日数です。

たとえば、相続する不動産は自宅のみで相続人は子ども1人、近隣に住んでいるので必要書類の収集も数日で完了するというケースであれば、2週間程度で相続登記が完了することもあります。

一方で、不動産が複数あったり、必要書類を遠方から取り寄せなければならなかったりする場合、手続きに数か月かかってしまうケースも珍しくありません。

登記に必要な期間はそれぞれの状況によって大きく変わるので、余裕をもって準備を始めることが大切です。

相続登記を行う流れと期間の目安

相続登記を行う流れは、以下のようになっています。

  • Step1:遺言書の有無を確認する
  • Step2:不動産の調査をする
  • Step3:必要書類を集める
  • Step4:被相続人を確定させる
  • Step5:遺産分割協議書の作成をする
  • Step6:相続登記申請書を提出する

以下では、それぞれの流れと期間の目安について詳しく解説しています。

Step1:遺言書の有無を確認する

相続が開始したら真っ先にしなければならないのが、遺言書の有無を確認することです。

遺言書には、財産目録や誰にどの財産を引き継がせるかが記されています。

故人の遺志を反映するものとして、遺言書の内容は相続手続きにおいて最優先されます。

もし遺言書がないと判断して相続人同士で遺産分割協議を進めた後に遺言書が見つかった場合、それまでの手続きが無効となり、最初からやり直さなければならないこともあります。

また、自筆で作成した遺言書には家庭裁判所による検認が必要です。

この手続きには約1か月程度かかるため、次のステップである不動産の調査と必要書類の収集を並行して進めていくと良いでしょう。

Step2:不動産の調査をする

被相続人(亡くなった人)の所有していた不動産を調査します。

土地の権利証や固定資産税の納税通知書をもとに不動産の範囲を確認したうえで、以下の書類を取り寄せましょう。

必要書類 取得場所 期間
登記事項証明書 不動産所在地の法務局(窓口・郵送・オンライン) 窓口受け取りで3~4時間 郵送受け取りで1~3日
固定資産評価証明書 不動産所在地の役所 即日発行

所有していた不動産がはっきりしており、かつ近隣にある場合は、約2週間程度で書類がそろいます。

一方で不動産の範囲が把握できない、または遠方にあるという場合は1か月以上かかることもあるので注意が必要です。

Step3:必要書類を集める

相続登記を行うには、さまざまな書類を集める必要があります。

固定資産税評価証明書と同じ役所で取得できるものも多いので、一度で申し込めるよう必要書類をよく整理しておくことをおすすめします。

必要書類 取得場所 期間
被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで記載されたもの) 本籍地の市町村の役所 窓口:即日交付 郵送:1週間~10日程度
被相続人の住民票の除票 居住地の市町村の役所 窓口:即日交付 郵送:1週間~10日程度 (死亡届受理後1週間程度)
不動産を取得する人の住民票 居住地の市町村の役所(※1) 窓口:即日交付 郵送:1週間~10日程度
相続人全員の印鑑証明 (遺言書がある場合は不要) 居住地の市町村の役所(※1) 印鑑登録証を持っていれば即日発行
相続人全員の戸籍謄本 本籍地もしくは居住地の市町村の役所(※1) 窓口:即日交付 郵送:1週間~10日程度

※1:マイナンバーカードがあれば、コンビニエンスストアでも取得可能

Step4:被相続人を確定させる

被相続人の戸籍謄本が取得できたら、出生から記録をさかのぼって相続人を確認します。

離婚した元配偶者との間に子どもがいたり、養子縁組をしていたりなど、自分たちの知らない相続人が存在していたというケースは少なくありません。

婚姻や転籍が多い人の場合、戸籍を漏れなく取り寄せて読み解くだけでかなりの時間を要します。

また、これまで存在すら知らなかった相続人が出てきたときに、居場所を探して戸籍謄本の提供を依頼するのもかなり難しい作業です。

手に負えないと感じたら、この時点で専門家への依頼を検討するのも一つの方法でしょう。

Step5:遺産分割協議書の作成をする

遺言書がない場合の相続は法定相続分どおりに財産を分配することになりますが、それとは異なる割合で相続を行う場合は、遺産分割協議書の作成が必要です。

相続人全員と連絡が取れており、特に意見の相違もない場合は遺産分割協議書の作成はすぐに完了します。

しかし、相続について意見が対立していたり、連絡のつかない相続人がいたりする場合は話し合いがまとまるまで数か月単位でかかることも珍しくありません。

相続税の納付期限は、相続開始を知った翌日から10か月以内と定められています。

どうしても話し合いがまとまらない場合は、専門家に間に入ってもらうことも検討したほうが良いでしょう。

Step6:相続登記申請書を提出する

遺産分割協議書が作成できたら、引き続き相続登記申請書の作成に移ります。

相続登記申請書には決まった書式はありませんが、法務局のウェブサイトから書式と記載例をダウンロードできるので、そちらを参考にすると良いでしょう。

提出後、書類に不備がなければ1週間ほどで手続きが完了し、登記識別情報通知書という書類が発行されます。

種類に不備があるとそのたびに修正して再提出することになるので、そのぶん時間が余計にかかります。

できるだけ余裕をもって提出することが大切です。

相続登記を期間内にスムーズに進めるポイント

相続登記を期間内にスムーズに進めるポイントは、以下のとおりです。

  • 誰が不動産を相続するか決めておく
  • 書類集めは早めに取り掛かる
  • 専門家に依頼する

相続登記で気を付けたい3つのポイントを詳しく解説します。

誰が不動産を相続するか決めておく

相続登記には相続人全員の戸籍謄本が必要ですが、手続きそのものは不動産を引き継ぐ人が行います。

不動産はその性格上、均等に分けることが難しい財産の一つです。

売却して現金に替えるにしても、先に相続登記を済ませなければなりません。

遺産分割協議を行うにあたって意見が対立して長引くと、それだけ相続登記にも時間がかかります。

そのため、誰が不動産を相続するか意見のすり合わせを早めに開始して、遺産分割協議書を速やかに作成できるようにしましょう。

書類集めは早めに取り掛かる

相続登記に必要な書類の収集は、相続関係の複雑さや不動産の状況によって大きく変わります。

問題がないと思っていた相続の場合でも、戸籍謄本をたどると会ったこともない相続人が出てきたというケースも少なくありません。

また、時間が経過するほど被相続人に関する書類や情報を集めにくくなるものです。

遺言書の有無にかかわらず、相続が発生した時点で書類の収集を開始することをおすすめします。

専門家に依頼する

相続登記の手続きそのものは、事務作業にある程度慣れている方なら自分で行うことができるでしょう。

しかし、書類の収集や遺産分割協議書の作成に手間取ってしまうと、相続税の納付期限に間に合わなくなってしまう可能性も考えられます。

手続きに手間がかかりそうだと感じたら、早めに専門家に相談するのも一つの方法です。

相続登記の期限はいつまで?

これまで相続登記には期限がなく、登記を申請するのは相続人の任意とされていましたが、2024年4月1日から相続登記を義務化する法律が施行されました。

これにより、「相続が開始したことを知り、かつ不動産の取得を知った日から3年以内」に相続登記をする必要があります。

つまり「自分が相続人であり、相続財産に不動産があることを知った日から3年以内」に相続登記を完了させなければなりません。

2024年4月1日以前に相続した不動産も対象になる

相続登記の義務化は2024年4月1日に施行されましたが、施行日以前に相続している不動産にもさかのぼって適用されます。

何代にもわたって引き継がれてきた土地のなかには、相続登記が長年放置されており、ずっと前に亡くなった方の名前で登記されているものも少なくありません。

そういった不動産も全て相続登記の対象となるため、現在所有している相続人が相続登記を行う必要があります。

相続登記を放置するとどうなる?

正当な理由なしに相続登記を放置していると、法務局から何度か催告が送られてきます。

催告も無視していると、行政罰として10万円以下の過料が科される可能性があります。

これは2024年4月1日以前に相続した不動産も同様で、2027年3月末日までの猶予期間が過ぎると、過料の対象となるので注意が必要です。

相続登記の期限が遅れた「正当な理由」として「相続で紛議が起きている」「経済的に困窮している」などが挙げられますが、認められるかどうかは法務局が個別に判断しています。

期限に間に合いそうにないときは、自己判断ではなく専門家に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。

相続登記を専門家に任せたほうが良いケース

相続登記が長引くと、その後の相続手続きや相続税の支払いに支障をきたす可能性があります。

スムーズな手続きのためには専門家に任せるのも一つの選択肢です。

専門家に任せたほうが良いケースとして、以下があります。

  • 相続人同士の紛議が発生している
  • 相続する不動産が複数ある
  • 自分たちの知らない相続人がいる
  • 必要書類を集める時間が取れない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

相続人同士の紛議が発生している

不動産は均等に分割するのが難しいため、財産の分配が不均等になりがちです。

不動産を分割する際には、相続した人が法定相続分に相当する金銭を支払う、ほかの財産でバランスを取るなどの方法がありますが、全員が納得する着地点が見つからないこともあるでしょう。

話し合いがどうしてもまとまらず、遺産分割協議書の作成が進まないというときは、専門家に間に入ってもらうことをおすすめします。

代理人を立てることで冷静な話し合いが可能になり、万が一法的手続きが必要になった場合も専門家のサポートが大きな助けになります。

身内だからこそ、後々のトラブルを残さないために、専門家に相談して全員が納得できる解決策を目指すことが大切です。

相続する不動産が複数ある

通常、相続登記は各不動産の管轄法務局で行います。

そのため、まず一つの管轄法務局で登記を完了させ、その際に返却された書類を用いて次の管轄法務局で登記を進めるのが一般的な手順です。

しかし、相続登記のなかでも、書類の収集には時間がかかる傾向があります。

特に、遠方にある不動産を相続する場合、必要書類の収集だけで1か月以上かかることも珍しくありません。

書類の不備がなかったと仮定しても、登記には最短でも1~2週間かかります。

複数の法務局で登記を進める場合、それぞれの手続きに時間がかかるため、全体の期間が長くなってしまうことが課題です。

専門家に依頼すれば書類の収集から登記まで代行してもらえるので、時間や手間を大幅に削減できるのがメリットといえるでしょう。

自分たちの知らない相続人がいる

離婚や養子縁組で自分たちの知らない子どもがいたり、関係性の薄い相続人がいたりした場合、遺産分割協議の話し合いにこぎ着けるまでに相当の労力を要します。

相続登記には相続人全員の戸籍謄本が必要ですが、突然連絡してきた知らない親族に相続の話をされても警戒されてしまうのも無理はありません。

専門家に相談すればアドバイスを受けながら相手に説明ができるので、よりスムーズに協力が得られる可能性が高まります。

必要書類を集める時間が取れない

相続登記は財産調査から相続人の確定、必要書類の収集など細かい作業が多いです。

仕事や家事など日々の生活をこなしながら、ミスが許されない作業に取り組むのはかなりの負担になるでしょう。

仕事で毎日帰りが遅く週末しか時間が取れない方、家事や育児でまとまった時間を作るのが難しい方は、無理をせず専門家に手続きを任せることをおすすめします。

相続登記のご相談ならゆずりは司法書士法人へ

相続登記は最短で約1~2か月程度で完了しますが、書類の収集や戸籍の読み解きなど作業量が多くなる場面も少なくありません。

特に、相続する不動産が複数ある場合や自分たちの知らない相続人がいる場合は、手続きが煩雑になり、時間がかかることもあります。

戸籍や書類を見て「これは難しそうだ」「どこから手をつければいいかわからない」と感じたら、専門家に相談することをおすすめします。

杠(ゆずりは)司法書士法人は相続登記の専門家として、これまでに多くの相続登記をサポートしてきました。

ご依頼主様のご事情に合わせて、最適な方法をご案内いたします。

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スムーズな手続きをご希望の方や相続登記でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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