
銀行で相続相談をするメリット・デメリット!相談できる内容やそのほかの相談先を解説
相続
投稿日:2025.05.30
大切な家族を亡くしたあと、残された家族が直面する相続手続き。
やらなければならない手続きが多く、どこから手を付ければ良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そのようなとき、「普段からお世話になっている銀行に相談したい」と思う方もいるかもしれません。しかし、銀行に相続相談をしても全てに対応できるわけではなく、対応できる業務は限られています。
この記事では、銀行で相続相談をするメリットとデメリットを詳しく解説します。また、より専門的な内容を相談したい場合の相談先についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

大阪・兵庫・京都・東京を拠点に、相続手続き・遺言書作成・家族信託契約などのサポートから企業法務まで、専門のチームで対応しております。税理士や他業種との連携により、相続問題をワンストップで解決!相続関連の相談件数は年間400件超。
目次
相続手続きをサポートしてくれる専門家
銀行に相続相談をすることもできますが、一般的に相続手続きの相談先として挙げられるのは、以下のような専門家です。
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 税理士
これらの職種は士業と呼ばれる法律の専門家ですが、得意な分野が異なります。
それぞれが専門とする分野と、どのような状況のときに相談すれば良いかを解説します。
弁護士
弁護士は、法律トラブル全般を取り扱う専門家です。
これから解説する士業のなかで依頼者の代理人として活動できる、唯一の職種でもあります。
相続手続きで揉めごとやトラブルが起きている場合、裁判へと発展するケースが少なくありません。
その場合、正式な代理人になれるのは弁護士だけです。
裁判に発展しなかったとしても相手方が弁護士を雇っている場合、こちらも弁護士を依頼して代理人同士で交渉したほうがスムーズに解決することも。
遺産分割協議や遺言執行、遺産整理など、弁護士に相談できる分野は多岐にわたります。
そのぶん、ほかの士業に比べて費用は高めですが、相続の揉めごとが予想される場合は最初から弁護士に依頼したほうが良いこともあります。
司法書士
司法書士は登記や供託手続分野を専門とする職種です。
不動産の名義変更や相続放棄、遺言書の検認などを主に取り扱っています。
相続する不動産が多かったり、土地の登記に問題を抱えたりしている場合、自分たちだけで相続登記を行うのは非常に困難です。
司法書士は不動産などの相続財産を相続人名義に変更する「相続登記」を業務として行えるので、複雑な登記を誤りなく進めていくことができます。
登記業務は弁護士でも行えますが、登記分野に関しては司法書士のほうがより専門性が高いため、司法書士に依頼したほうが良いケースも多いです。
行政書士
行政書士は、書類作成を専門とする職種です。
遺言書や遺産分割協議書の作成などを得意分野としています。
司法書士とよく似ていますが、司法書士が登記書類などの専門家とすれば、行政書士は行政機関に提出する書類を作成したり、必要な書類を誤りなくそろえたりする専門家といえるでしょう。
戸籍謄本などの事実証明書類の収集、遺産分割協議書の作成などを依頼できます。
被相続人の出生や婚姻関係が複雑で、自分では相続財産の事実証明書類をそろえるのが難しい場合などに依頼すると良いでしょう。
ただし、法務局に提出する書類の代行や相続税の申告手続きを代行することはできないので、注意が必要です。
税理士
税理士は税の専門家として、各種税金の計算や申告書の作成を行う職種です。
相続関係においては相続税の計算や申告、相続税対策などを主に取り扱っています。
相続税には基礎控除があるため、「相続が発生した=相続税を支払わなければならない」ということではありません。
しかし、相続税は税金のなかでもかなり負担が重いため、基礎控除額を超える額の財産を相続する場合は、税理士に相談して相続税額を計算してもらう必要があります。
銀行での相続相談
銀行のなかには相続相談に力を入れているところもあります。
相続に関することで銀行に相談できる内容として、どのようなものがあるでしょうか。
銀行が対応できる相続相談の範囲やメリットについて解説します。
銀行が対応できる相続相談の業務
銀行では、以下のような相続相談を行うことができます。
- 相続財産の調査
- 法定相続人の調査
- 遺産分割協議のアドバイス
- 預金、有価証券などの名義変更
- 不動産の名義変更についてのアドバイス
- 所得税・相続税など税務関係についてのアドバイス
- 相続財産の運用についてのアドバイス
相続に関するアドバイスのほかに、相続財産の調査や法定相続人の調査も依頼できます。
相続財産の調査とは被相続人(亡くなった人)がどのような財産を保有しているのか、全て調査することです。
この場合の財産には現金や不動産といったプラスのものだけでなく、ローンや借金といったマイナスのものも含みます。
そのうえで株式や不動産には、査定・評価を行います。
また、相続手続きにおいて「誰が相続人なのか」を確定させることが重要です。
法定相続人の調査は、被相続人が出生してから亡くなるまでの戸籍をくまなく調べて、法定相続人が誰なのかを調査します。
相談した内容に合った専門家を銀行が紹介し、実際の調査や対応は専門家が行うという流れになります。
相談内容に銀行が直接対応するわけではないという点に注意しましょう。
銀行が対応できない相続相談の業務
銀行では相続に関するさまざまな相談を行っていますが、代行できない手続きもあります。
具体的には、以下のような業務には対応できません。
- 不動産の登記業務
- 相続税や所得税の申告
- 遺産分割調停や審判
- 相続に関する裁判手続き
これらの業務を代行したり、代理人として手続きを行ったりするには弁護士や司法書士の資格が必要です。
そのため、銀行だけでは手続きが完結せず、外部の専門家に委託することになります。
銀行に相続相談をするメリット
銀行に相続相談をするメリットとして、以下のような点が挙げられます。
- 身近な存在として相談できる
- 専門家を紹介してもらえる
- 金融商品の提案が受けられる
それぞれについて詳しく解説しています。
身近な存在として相談できる
相続というのは、人生のなかでそう何度も経験するものではありません。
法律に関する相談にしても、今まで一度も経験したことがないという方が大半なのではないでしょうか。
相続には家庭内のデリケートな問題が関係しているケースも少なくありません。
そういった問題を相談するのに、日ごろから取引があって身近な存在である銀行を利用できるのは大きなメリットといえるでしょう。
専門家を紹介してもらえる
相続の手続きには、さまざまな専門家にサポートやアドバイスを受ける必要があります。
しかし、慣れない手続きのなかで、どのような専門家に相談すれば良いのか判断がつきにくいというケースも多くみられます。
銀行では弁護士や司法書士、税理士といったさまざまな専門家と連携しているため、相談内容に合わせて手続きに必要な専門家を紹介してもらえるというコーディネーターのような役割も期待できるでしょう。
個々に専門家を探す手間が省けるので、結果的に手間を節約できるというのは大きな利点といえます。
金融商品の提案が受けられる
相続に際して「できるだけ資産を多く残せるように相続税対策をしたい」「引き継いだ資産を運用して増やしたい」という希望を持つ方は多いです。
銀行では生命保険や投資信託などさまざまな金融商品を扱っており、顧客への提案やアドバイスも本業の一つです。
そのため、相続相談とともに金融商品に関する提案を受けることができます。
これからの人生計画に合わせた資産運用と、それに合った金融商品の提案を受けられるのは、銀行ならではのメリットといえるでしょう。
銀行に相続相談をするデメリット
一方で銀行に相続相談をするのは、以下のようなデメリットもあります。
- 費用が割高になる
- 自分で必要書類を準備する必要がある
- 銀行の金融商品への営業を受ける可能性がある
それぞれについて詳しく解説します。
費用が割高になる傾向がある
銀行への相続相談は、基本的に銀行内だけで完結することはできません。
相談内容に応じて提携している専門家へ取り次ぎ、手続きや調査を行うのが一般的です。
このとき、専門家への費用に加えて銀行への手数料を支払う必要があるため、直接専門家を探して依頼するよりも手数料の分だけ高くつきます。
手数料は相続する財産額に対して、所定の手数料率をかけることで算出されます。
ただし、手数料には最低額が決められており、一般的には100万円以上としている銀行が多いです。
自分で必要書類を準備する必要がある
銀行に相続相談を行う際、知っておかなければならないのが、銀行自体には相続人の代理として手続きを行う権利はないということです。
そのため、戸籍謄本などの相続に必要な書類は自分でそろえてから相談へ持ち込む必要があります。
戸籍謄本の収集には手間や時間がかかり、特に相続人が多かったり、本籍地が遠方の場合はさらに時間がかかります。
専門家に直接依頼することで、こうした煩雑な作業を代行してもらうことが可能です。
銀行に相続相談を行う際は、自分でどこまで書類を集めておくべきかよく確認しておくことをおすすめします。
銀行の金融商品への営業を受ける可能性がある
銀行に相続相談を行った場合、相続で得た財産の運用についての営業や提案を受けることがあります。
金融商品の販売は銀行の本業の一つであるため、ある程度やむを得ないことともいえるでしょう。
投資信託や保険などの金融商品を契約するつもりがなくても、お世話になった担当者からの営業は断りづらいものです。
また、その後も銀行との取引を続けるのなら気まずくなってしまうのは避けたいと考える方も多いでしょう。
金融商品のなかには、元本が保証されないハイリスクなものもあります。
運用の詳細を把握しないまま契約してしまうと、思いがけない損害が出てしまうことも。
どうしても自分だけでは断りづらい場合は家族に同席してもらったり、一度時間を置いてから電話で断るなどの対策をおすすめします。
まずは司法書士に相続相談するのがおすすめ
相続問題を相談できる専門家として弁護士や司法書士、税理士、行政書士などが挙げられます。
そのなかで司法書士に相続相談するメリットとして、以下が挙げられます。
- 土地や不動産の相続登記を行える専門とするのは司法書士だけ
- 弁護士と比較すると費用が安価な傾向にある
- 各専門家と連携して相続問題を解決できる
相続問題は相続人同士の問題や相続財産、相続税の申告など、さまざまな問題を同時に解決していく必要があります。
司法書士は相続税の申告や紛争解決には対応できないものの、横のつながりを持つ各専門家と連携して相続問題をワンストップで解決することができます。
特に土地や不動産の相続登記は司法書士が専門とする手続きです。
相続財産に土地や不動産が含まれている場合、司法書士のサポートが必要になってきます。
そういった面からも、最初の相談先として司法書士を選択するのは時間や手間を大幅に節約できる方法といえるでしょう。
相続のことならゆずりは司法書士法人
銀行での相続相談は身近な環境でリラックスして相談を行えたり、各専門家とのコーディネーター的役割を期待できたりするなどのメリットがあります。
一方で費用が高額になりやすく、戸籍謄本などの必要書類を自分でそろえなければならないというデメリットも。
そこで、銀行に相続相談するよりも直接専門家に依頼するのがおすすめです。
ゆずりは司法書士法人は、相続問題に深い知識と豊富な業務経験を持つ司法書士が在籍しています。
相続問題に初めて直面した方が安心してご相談いただけるよう、充実したサポート体制を整えています。
相続人調査や土地や不動産の相続登記、遺産整理など、さまざまな問題に対応可能です。
相続問題でお困りの方は、ゆずりは司法書士法人までお気軽にご相談ください。
本記事に関する連絡先
TEL: 06-6253-7707
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