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2013.05.27
借金の放棄(相続放棄)をするときに、遺産から葬儀代を出しても大丈夫か

多額の借金を負った親や兄弟姉妹などが亡くなり、自分が相続人となる場合があります。明らかにマイナスの財産(債務)がプラスの財産よりも多かった場合は、借金を引き継がなくてすむように「相続放棄(そうぞくほうき)」という手続きを取ることができます。しかし、人が亡くなったあとには、ゆっくりと考える余裕や悲しみに暮れる間もなく、お葬式の打ち合わせなどがすぐに始まってしまいがちなものです。そんなときに「葬祭費は誰が負担すればいいのか?」という疑問が浮かぶこともあるのではないでしょうか。

まずは、法律の条文から確認してみましょう。民法920条によると、「相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。」となっています。少し難しい言葉ですが、「単純承認(たんじゅんしょうにん)」とは、亡くなった人の遺産をもらったり使ったりするなど、遺産相続することを受け入れた状態を指します。つまり、相続人となる人が、相続できる財産の全部又は一部を処分したときなどには、その他すべての相続財産の承継も受け入れた、とみなされることになります。そして、いったん遺産の一部に手をつけると、亡くなった人の借金についても「無限に」承継したことになって、もはや相続放棄はできなくなってしまうのです。

しかし、一般的には亡くなった人の銀行預金などの遺産の中からお金を用立てて、それを葬祭費にあてるというのはよくある話でしょう。遺産には手を付けずに立て替えるということもあるでしょうが、規模によっては葬祭費がまとまった額となる場合もあり、立て替えが難しいケースも出てくるように思います。ちなみに、日本消費者協会がまとめている葬祭費のアンケートによると、平均で200万円前後の費用を葬儀で使ったというデータがあるようです。

ところで、こうした「亡くなった人の遺産を使い、葬祭費にあてる」ということは、さきほどの法律用語でいうところの「単純承認」に該当するのでしょうか。もし単純承認に該当するとなれば、もう相続放棄はできません。借金もそのまま引き継がないとならなくなるため、相続放棄を考えている方にとっては、非常に困ったことになります。かといって、自分の財産から200万円を用意するには、時間も経済的余裕もないという方も多いでしょう。
 
結論としては、亡くなった人の遺産から葬祭費を出しても、単純承認には該当しないと判断されているケースもあります。それについて、裁判所は下記のような理由を挙げています。(大阪高等裁判所H14.7.3決定)

(1)葬儀は人生最後の儀式として執り行われるものであり、社会的儀式として必要性が高いこと

(2)葬祭費は相当額の出費が必要であるということから、相続財産がある場合はそれを葬祭費に充当することは社会的見地から不当なものとはいえず、(相続放棄を考えているので被相続人の財産を利用することができず、また相続人自信の財力もないため)被相続人の葬儀を執り行うことができないとすればむしろ非常識な結果といわざるを得ない

同様のことは、墓石や仏壇の購入についても述べられています。しかしながら、どちらも「社会的に不相当に高額なものは除く」というただし書きが付け加えられていることには注意が必要です。たとえば日本消費者協会のアンケート結果の200万円程度が相当な価格であるかどうかについては、明確な判断資料はありません。分かりやすい線引きは難しいところですが、依頼する葬儀社のプランの中でもっともシンプルなプランを選べば、おそらく社会的に相当な金額の葬儀と判断される可能性がより高くなるだろう、という程度のことは考えられるかもしれません。

(内藤 佳織)


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