現状を把握していない、土地などの不動産を放置しておくと危険

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2013.02.18
現状を把握していない、土地などの不動産を放置しておくと危険

不動産を所有されている方の中には、相続などで物件を取得したものの現地の状況は把握できていない、そもそもどこにあるのかもよくわからない…という方も少なからずいらっしゃることと思います。住まいの近隣であればともかく、遠隔地にある物件となると、なかなか現地へ足を運ぶことができないのはやむを得ないところでしょう。

しかし、現地の状況を把握できないまま放置していると、知らぬ間に権利を失ったり、他人に損害を与えて損害賠償責任を負うことになることがあり得ますので、注意が必要です。

<知らぬ間に土地が他人のものに・・・>

他人が自分の土地などを勝手に使用しているのを放置しておくと、所有権を失ってしまう事態が起こり得ます。

民法は、一定の要件を充たして20年間他人の物を占有し続けると、その者が所有権を取得すると定め、さらに、他人の物とは知らずに占有し続けた場合は、10年で所有権を取得すると定めています。(民法第162条)

例えば、Aさん所有の土地にBさんが無断で自宅を建て、自宅の敷地として平穏に使用し続けた場合、Aさんがなんらの措置もとらないまま20年が経過すると、時効が完成してBさんが土地の所有権を取得します。Bさんが、土地が自分のものではないとは知らず、知らなかったことに過失がなかった場合は10年で時効が完成することになります。

Aさんが時効の完成を阻止するためには、Bさんに対して訴訟を提起したり調停を申し立てるなどする必要があります。(民法第147~156条)

<境界はどこ?>

隣地との境界をめぐるトラブルはしばしば起こりますが、長期間放置されている土地についてはそのおそれはさらに増すといえます。

隣地の所有者が境界票を勝手に移動したり破棄するようなこともあり得ますし(このような行為は犯罪です)、そのような故意による行為ではなくとも、長年境界が不明確になっているためにいつの間にか自分の土地の方へ侵入して使用されている、といったことも起こり得ます。

境界をめぐって争いになった場合、話し合って解決に至らないのであれば、調停を申し立てるか、「境界確定の訴訟」を提起する方法があります。

<落ち度がないのに損害賠償?>

自分が所有する建物の屋根瓦が落ちて通行人にケガをさせた、植木が強風で倒れて隣家の物を壊した・・・このような場合に、所有者は何の過失がなくても損害賠償の責任を負うことがあります。

民法は、このような場合まず占有者(建物の賃借人など、実際に使用・管理している者)が、占有者に過失がない場合や占有者がいない場合は所有者が損害賠償責任を負う、と定めています。

占有者は自らに過失がないことを証明すれば責任を免れますが、所有者は過失がなくても責任を負わなければなりません。(民法第717条)

所有者としては、いくら注意していてもひとたび損害が発生してしまえば責任を負う可能性があるわけですから、物件の維持管理を徹底して、とにかく損害を発生させないようにするほかありません。

<不動産の基本情報の入手>

このようなトラブルを予防するには、不動産の状況をよく把握しておくことが必要です。不動産についての基本的な情報をそろえたうえで、現地を実際に見て確認するのが望ましいでしょう。

不動産の所在や面積、形状など物理的な状態や権利関係は、法務局で「登記事項証明書」「公図」「地積測量図」「建物図面」を入手することである程度確認できます。

これらは多くの場合、全国どこの法務局の窓口でも取得できます(ただし、一部に不動産の所在地を管轄する法務局でしか取得できないものもあります)。郵送での請求も可能です。

法務局に発行を請求する際には、物件の所在地と地番が必要になります。権利書や固定資産税の納税通知書で確認することができます。

時間が経過すればするほど、現地の状況は変わっていきますし、関係者が亡くなったり連絡がとれなくなって周辺の事情がわからなくなっていくと思われます。また、利害関係者が増えて問題が複雑化することも考えられます。トラブルの種は早めに発見して対処しておいたほうがよいでしょう。ご自身での対処がむずかしければ、司法書士や土地家屋調査士などの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

(早川 武) 

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