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市役所で相続相談はできる?利用できる人や注意したいポイントを解説

相続

投稿日:2025.01.22

相続の手続きで悩んでいる方にとって、市役所は身近で頼りになる存在です。相続の初期段階で、専門家のアドバイスを無料で受けることができるため、気軽に相談できる点が魅力です。

しかし、相談時間や内容に制限があったり、相談相手を選べなかったりなど、注意すべき点もあります。

この記事では、市役所の相続相談について利用できる人や注意点などを詳しく解説します。市役所の無料相談を活用してスムーズな相続手続きを進めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

市役所で相続相談できる?

市役所では行政サービスの一つとして、無料の相続相談を受け付けています。

自治体によっては「法律相談」という名称になっていることもありますが、そのなかで相続も取り扱っているケースがほとんどです。

相続相談では待機している弁護士や税理士、司法書士、行政書士などの専門家に相談することができます。

基本的には対面式ですが、自治体によっては電話相談やオンライン相談に対応しているところもあります。

相談できる内容は、以下のようなものです。

  • 相続人同士のトラブルのに関する相談
  • 不動産の相続に関する相談
  • 相続税に関する相談
  • 相続に関する書類作成の相談

基本的には専門家が相談に対応しますが、内容によっては市役所の職員が担当するケースもあります。

市役所の相続相談を利用できる人

市役所の相続相談を利用できるのは、一般的に以下のいずれかに該当する人です。
詳細は市役所に確認が必要になります。

  • 市役所のある市町村に住んでいる人
  • 市役所の市町村にある学校や会社に通っている人

対面の場合、指定された日時に相談場所まで出向かなければなりません。

市役所では対応できない相続相談の範囲

市役所の相続相談は、法律や書類作成の専門家に幅広い内容の相談ができますが、以下のような場合は対応できないので注意しましょう。

  • 遺言書や遺産分割協議書の作成代行
  • 相続人や相続財産の調査代行
  • すでに裁判になっている事柄の相談
  • 刑事事件になっている事柄

また、説明だけで時間がかかってしまうような複雑な相談も、無料相談では対応できないことがあります。

市役所に相談する際に注意したいポイント

市役所での無料相続相談は、相続に関する疑問点を専門家に相談できる便利なサービスですが、利用するうえで知っておきたいポイントもいくつかあります。

4つの注意点をそれぞれ詳しく解説します。

時間や回数が限られている

市役所によりますが、相続相談は一回20~30分程度がほとんどです。

内容が複雑な相談の場合、説明や情報の確認だけで持ち時間が終わってしまう可能性もあります。

また、「同じ内容での相談は最大〇回まで」や「前の相談日から1か月以上空けないと予約不可」などの制限を設けているケースがほとんどです。

行政サービスという性格上、市役所の相続相談にはできる限り多くの人が利用できるようなルールが設定されています。

一回で成果が得られるよう、情報や必要な書類はきちんと整理してから相談に臨むことをおすすめします。

相談できる日時が限られている

市役所の相続相談は、週1~2回程度の実施が一般的です。

ほとんどが平日の日中で、土日や夜間には行われていないケースがほとんどです。

時間枠も固定になっているので、相談者側の都合で調整するのは難しいでしょう。

また、相談希望者が殺到している場合は抽選や先着になることも多く、相談したいと思ったタイミングで利用できるとは限りません。

相続人同士のトラブルなど急を要する相談や、事態の悪化が懸念される場合には、市役所への相談はやや不向きといえます。

事前に開催日程を確認し、予約や先着の必要がある場合は、事前準備をしっかり行うことが大切です。

相談する相手を選べない

市役所の相続相談は弁護士や司法書士、税理士、行政書士などが持ち回りで担当しています。

もちろん、いずれも法律や税務のプロですが、相続を専門にしているとは限りません。

相談相手を選べないため、担当者が相続問題に不慣れな場合もあり、事前にその点を理解しておくことが大切です。

また、相続問題に精通している担当者であっても、適切な回答にはさまざまな資料や事例の調査が必要になることが多いです。

しかし、無料相談ではこうした調査が難しく、具体的な回答が得られない場合もあります。

また、多くの自治体では相談回数に制限が設けられており、複数回相談できたとしても担当者が毎回変わる可能性があります。

その結果、最初から説明し直す手間が増えるだけでなく、担当者によって見解や対応策が異なるリスクも。

こうした制約を考慮すると、複雑で長期的な相続問題には、市役所の相続相談は適していない場合があります。

その場での依頼ができない

無料の相続相談では、相続人調査や遺産分割協議書の作成などの代行は対応していません。

専門家のサポートを継続して受けるのであれば、正式に案件として受任してもらう必要があります。

事情を理解してくれている専門家にそのまま依頼してもらえればベストですが、自治体の多くは専門家の連絡先を聞いたり、その場で正式に依頼することを禁じています。

各自治体の方針によりますが、基本的に市役所が提供しているのは「無料の相続相談」であって、専門家への橋渡しではありません。

そのため、専門家に引き続き依頼したい場合は自分で事務所を探したうえで、改めて相談の予約を取る必要があります。

時間的な制約がある場合は、二度手間になってしまうのがデメリットといえるでしょう。

市役所に相続相談をするときの流れ

市役所への相続相談は、自治体によって手続きの方法や流れが異なるので、詳しい方法は各市役所に確認しておく必要があります。

市役所に相続相談を申し込む際の一般的な流れは、以下の通りです。

STEP1:市役所のホームページをチェックする

まずは、居住地や勤務地の市町村のホームページで、相続相談の実施状況を確認します。

「〇〇市 法律相談 無料」や「〇〇市 無料相続相談」などのキーワードで検索すれば、該当するページが見つかるはずです。

また、広報誌や公民館、図書館などの掲示板に案内が掲示されていることもあるので、そちらもチェックしてみてください。

もし情報が見つからない場合は、市役所に直接問い合わせるのも良い方法です。

STEP2:電話や申し込みフォームなどから予約する

案内に従い、電話や申し込みフォームから相続相談の予約を行います。

どの自治体でも無料の相続相談は人気が高く、希望通りの日時に予約が取れない場合も少なくありません。

希望日時はあらかじめ複数用意しておき、空いている時間を柔軟に押さえる姿勢で申し込むのがポイントです。

STEP3:必要な書類を用意する

相続相談で避けたいのが、事情の説明だけで制限時間いっぱいになってしまったという事態です。

市役所での相談日時が決まったら必要書類をそろえ、相談する内容を書き出しておきましょう。

必要書類がよく分からないという方は、最低限必要なものとして以下の書類を集めておくことをおすすめします。

  • 被相続人(亡くなった人の)戸籍謄本・全部事項証明書・除籍謄本
  • 現時点で判明している相続人の戸籍謄本(できれば全員分)
  • 被相続人との続柄を分かりやすく表にしたもの(家系図、相続関係説明図など)
  • 現時点で判明している相続財産のリスト

相談内容についても、頭の中では整理できているつもりでも、いざ説明するとなるとうまく話せなくなることもよくあります。

質問事項を箇条書きにするとともに、その背景事情も全て書き出しておきましょう。

STEP4:市役所で相談する

予約した日時になったら、事前にそろえた書類や資料を持って相談に向かいましょう。

持っていくべきものは、以下の通りです。

  • 収集した書類(できれば2部用意しておく)
  • まとめた質問事項
  • 筆記用具

相談内容をしっかり記録しておきたい場合、録音したくなるかもしれませんが、多くの市役所では相続相談中の録音や録画・画面共有を禁止しています。

事前に許可を得ていない限り、録音機器の使用は控えるほうが良いでしょう。

相続相談は専門家に依頼するのがおすすめ

相続問題は相続人との関係や財産の内容、相続税など考えることが多く、一度の相談で問題が解決することはほぼありません。

市役所の相続相談は担当者が都度変わることも多いため、何度も事情を説明しなければならないというデメリットもあります。

効率的かつ最短で問題を解決するのであれば、最初から専門家に相談するのも一つの方法です。

専門家にはそれぞれ得意分野があり、内容に適した専門家に相談することが必要です。

また、相続登記や紛争解決のように、取り扱える職種が法律で決められている場合もあります。

どの専門家に相談すれば良いかは、以下を参考にすると良いでしょう。

  • 相続財産に不動産が含まれているケース:司法書士
  • 相続人同士のトラブルが起きているケース:弁護士
  • 相続税対策や申告を行いたいケース:税理士
  • 遺言書や遺産分割協議書の作成をサポートしてほしいケース:行政書士

それぞれの専門家が対応できる業務範囲は、以下の通りです。

  弁護士 司法書士 税理士 行政書士
相続に関する紛争 × × ×
土地や不動産の名義変更(相続登記) × × ×
金融機関での相続手続(名義変更や継承)
遺言書の作成
遺産分割協議書の作成
相続税の申告 × × ×
相続放棄 × ×
法定相続人の調査
相続財産の調査

相談内容が複数あり、どの専門家に依頼すれば良いか分からない場合は、まず司法書士に相談することをおすすめします。

相談から手続き完了まで一貫して担当の専門家がサポートしてくれる

専門家の事務所で直接相談した場合、相談から問題解決まで基本的には同じ人が担当します。

また、市役所の相続相談では誰に相談するか選べませんが、直接相談なら「この人なら安心して任せられる」という人を納得いくまで探すことも可能です。

相談から問題解決まで一貫したサポートを受けられるのは、大きなメリットといえるでしょう。

忙しくても相談できる

市役所の相続相談は日時が決められており、希望した日時に予約が取れないことも珍しくありません。

仕事や家庭の都合で時間を空けられない方にとって、若干ハードルが高いのも事実です。

一方、専門家が在籍する事務所では、土日祝や平日夜間の相談に対応しているだけでなく、LINEやメールなどオンライン相談も充実しています。

多忙な方でも気軽に相談できる環境が整っており、相続放棄や相続税の申告といった期限のある手続きにも比較的柔軟に対応できるのが特徴です。

各専門家と連携したスムーズな手続きをしてもらえる

相続問題は、さまざまな事情が絡み合い、複雑化しやすいものです。

司法書士や弁護士、税理士など異なる専門分野のプロが連携し、それぞれの専門知識を活かして問題解決にあたるケースも少なくありません。

相続を得意とする専門家は、必要に応じて信頼できるほかの専門家と協力しながら、スムーズに手続きを進める体制を整えています。

この連携により、相続に関する一連の手続きをワンストップで対応可能。

個々の問題に対して自分で調べて解決する手間を省き、時間を大幅に短縮できるのが大きな魅力です。

安心して任せられる環境で、効率的に相続手続きを進めることができます。

相続相談は司法書士に依頼しよう

市役所の相続相談は、無料で利用できる行政サービスの一つです。

相続に関するさまざまな疑問を専門家に相談できるため、最初の一歩として活用するには適しています。

しかし、市町村によっては予約が取りにくかったり、制限時間内に十分な回答が得られないといったデメリットもあるため、場合によっては物足りなさを感じるかもしれません。

そこで、スムーズに相談を進めるなら直接専門家に依頼するのがおすすめです。

杠(ゆずりは)司法書士法人事務所では、相続問題に関するご相談を承っております。

初回相談は無料で、平日夜間や土日祝にも対応できる体制を整え、より柔軟にご相談いただけます。

司法書士だけでなく、ほかの専門家とも連携し、相続に関する問題をワンストップでサポート。

お困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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