休眠会社は放っておくと解散されてしまう?
企業法務
|更新日:2022.10.9
投稿日:2011.09.13
今回は、「休眠会社」についてお話します。休眠会社とは、一般的には長期間企業活動をしていない会社のことを指すかと思います。
税金の関係では、休眠会社は、税務署・都道府県税事務所・市町村役所に休眠の届けを行います。休眠の届けを行うことにより、自治体によっては、地方税の均等割が免除されるところもあります。
不況の昨今、会社を一時休眠状態にされる方も増えています。
会社を解散・清算するとなると費用がかかり、また、一度清算してしまうと、ふたたび会社で事業を行う場合に、新たに会社を作る必要が生じてしまうため、休眠状態を選ぶという背景もあります。
しかしながら、休眠中であっても、役員の改選及び改選の登記は行わなければなりません。当然、選任や登記を行わない(=懈怠、けたい)すると、過料が科されます。
休眠する場合には、事前に定款の変更を行い、役員の任期を伸長しておくことも検討しなければなりません。
また、休眠会社を利用したい、休眠会社を再開したいというご相談をいただくことがありますが、実態としては定款変更や役員変更を行わないままに休眠している会社が大半です。
このため、利用する際や再開する際に、想定外の多額の過料がかかってきてしまうことがあります。
なお、会社法上では、「休眠会社」とは「最後に登記をした日から12年が経過した会社」のことを指します。
会社法上の休眠会社については、法務大臣が官報に公告を行い、その後2か月を経過した日に登記官の職権により解散の登記がなされることになります。
つまり、実際に営業を行っているか否かに関わらず、登記を長期間にわたって行わないでいると、会社法上、会社は解散したものとみなされてしまうことになります。
ただし、公告があった時にはその会社に通知され、2か月の期間内に何らかの登記がされた場合には解散されません。
しかしながら、最後にこの休眠会社のみなし解散が行われたのは、平成14年の10月です。それ以降は行われておらず、次にいつ行われるかも不明です。
なお、解散したものとみなされた場合でも、その後3年以内に限っては、株主総会の特別決議により会社を継続する(解散前の状態に復帰する)ことができます。
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