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抵当不動産の第三取得者の時効主張

不動産

2013.08.05

通常は、不動産を取得する際、当該不動産に設定された抵当権等の担保は抹消したうえで、何の負担もなく所有権を取得すべきで、多くの不動産取引においてはそのように取引されております。

しかし、事情によっては抵当権が付着したまま、不動産所有権を取得し、事後に抹消するケースも存在します。

事後に抹消する場合、取得者からの弁済によって抹消するケースがほとんどであると思われますが、弁済をせずに担保抹消することが可能かどうか、検討の余地があります。

抵当権の場合、被担保債権との付従性がありますので、被担保債権が弁済以外で消滅すれば、抵当権も消滅することになりま

被担保債権の弁済以外での消滅原因の一つとして、被担保債権の時効消滅、が考えられます。

通常、債権の時効消滅は、債務者から債権者に対して援用されるものですので、抵当不動産の第三取得者が被担保債権の時効を援用することが可能かという問題があります。

この点、最高裁判所の判例では、「抵当不動産の譲渡を受けた第三者は、抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。」と判示しており、抵当不動産を取得した者は、被担保債権の時効を援用することによって抵当権を消滅させることができるということになります。

その他、被担保債権とは無関係に、抵当権そのものの時効という概念があります。

すなわち、抵当権は、被担保債権の債務者と設定者以外の者(第三取得者)との関係では、独自に20年の消滅時効にかかります。(民法396条解釈、167条2項)

この場合の時効の起算点は最終の弁済期とするのが判例です。

もちろん、時効援用を検討するにあたって、時効中断事由がないか慎重に検討する必要はありますが、抵当不動産を取得した際の担保抹消の検討の一つに、「時効」という概念を加えることには価値があると考えます。

(北村 清孝) 

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