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遺産分割協議がまとまらなかったときの手続きとは

遺言

2013.12.16

もし、あなたが遺言書を作成しないままに亡くなってしまったとしたら、遺された相続人が遺産を相続しようとするとき、どのような手続きをとらなければならないのでしょうか。

被相続人(亡くなった人)が遺言書を書いていなければ、相続人全員によって「遺産分割協議」をする必要があります。遺産分割協議とは、現金や銀行預金、不動産などの遺産のうち、「誰が、どの遺産を、どれくらいもらうのか」を決める相続人同士の話し合いのことです。この遺産分割協議は、相続人の全員で行わなければならず、一人でも欠けていると無効となってしまいます。

相続人は、親族という特別な間柄ですので、「私が、遺言書を書かなくても相続人同士上手に話し合いをするはず」とお考えの方もいらっしゃると思います。

しかし、どんな相続においても、遺産分割協議が成立しない可能性は十分に考えられます。

例えば、それぞれ経済状況が異なるため、少しでも遺産を相続したいと考えたり、特定の相続人に遺恨があるために協議に参加したくないと考えたりすることがあります。また、相続人本人は協議内容に納得していたとしても、妻や夫などの配偶者をはじめとする家族の意見によって、協議内容にサインできない場合もあります。

このように、相続人間での協議がまとまらなかった場合には、どのようにして遺産を相続することになるのでしょうか。

話し合いがまとまらなかった場合には、裁判所の手続きのうち「遺産分割の調停」または「遺産分割の審判」を利用することになります。まず、遺産分割調停とは、被相続人の遺産としてどのようなものがあって、それを相続人の間でどのように分けるかについて、家事審判官(裁判官)と調停委員で組織される調停委員会が、中立公正な立場で、申立人、相手方それぞれから言い分を平等に聞いて、調整に努めたり、時には具体的な解決策を提案するなどして、話し合いで円満に解決できるよう斡旋する家庭裁判所の手続です。

つまり、「遺産分割についてもめている相続人」と、「中立な立場の家事審判官、調停委員」とを交えて、話し合いをするのです。この調停手続きは、いわゆる訴訟(裁判)のような公開の法廷の場で争うのではありませんので、プライバシーなどが第三者に漏れることはありませんし、裁判所は公平な立場で手続きをするため、どちらかに味方をするようなこともありません。

そして、この調停の場でも協議がまとまらないなど解決ができなかった場合、家庭裁判所は審判手続きに移行し、ここからは法律にしたがって裁判所が判断することになります。

この調停手続きは、家庭裁判所で平成24年に行われた乙号事件調停事件総数73,204件のうち12,697件と、約17%を占めています。また、そのうち、審判手続きにまですすんでいるのは2,589件もあり、遺産分割調停事件総数の約20%にのぼります。

また、調停の審理期間についてですが、平成24年総乙号事件調停時件数71,352件のうち、8,412件(約10%)が1ヶ月以内、23,208件(約32%)が3ヶ月以内、21,162件(約29%)が6ヶ月以内、13,395件(約18%)が1年以内、4,394件(約6%)が2年以内、781件(約1%)が2年を超えるものとなっており、平均で「5.2ヶ月」かかっているようです。

(いずれのデータも「司法統計」より)。

相続手続きには、相続放棄(原則3ヵ月)や相続税申告・納税(原則10ヶ月)など、ある一定の期間内に手続きをしないと、特典が利用できないなど相続人が不利益をこうむる場合があります。遺産を相続することだけを考えれば、円満な相続ではないものの、調停や審判を利用して遺産を相続することも手段の一つとしては検討できるかもしれません。

しかし、解決までに時間がかかったり、せっかくの遺産を目減りさせてしまったり、また後々に不動産手続上の不便の生じる法定相続分によって相続することになったりと、相続人に様々な不都合が生じる可能性があります。ですから、遺産を残す側の立場においては、遺言書やエンディングノートを作成したりして相続人同士がもめないように故人の意思を伝えたり、また遺産を相続する側の相続人においては、日ごろから相続人同士感情のもつれが生じないように連絡を取り合ったりなど、相手を思いやることが大切ではないでしょうか。

(西川 宜輝)

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