相続登記にかかる費用相場は?司法書士に依頼するべき理由と費用を抑えるポイント
投稿日:2024.12.02
相続が発生した際、必ず行わなければならないのが相続登記です。
相続登記には、専門的な知識が必要になるため、司法書士に依頼するのが安心です。
しかし、司法書士に依頼するのは費用がかかります。初めて相続登記を行う場合「どのくらい費用がかかるのだろうか」「費用を抑えるコツはあるのだろうか」と分からないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、相続登記にかかる費用相場や費用を抑えるポイントについて解説します。
相続登記とは
相続登記とは、不動産(家、土地、山、田畑など)の所有者が亡くなったときに必要な手続きです。
不動産の名義を亡くなった方から、新しい所有者である相続人に変更します。
法務局に申請を行うと、登記簿にある所有者の名前を新しく更新してもらえます。
相続登記は2024年に義務化された
今までは必須ではなかった相続登記ですが、2024年4月1日から申請が義務化されました。
不動産の所有者が亡くなり、自分が相続したと知った日から、3年以内に相続登記を申請する必要があります。
2024年4月1日以前に相続が発生した場合でも、2024年4月1日から3年以内に申請をしなければなりません。
申請をせずに放置したまま3年が過ぎると、正当な理由がない限り、ペナルティとして10万円以下の過料が発生します。
手続きが複雑だと期間が長くかかることがあるので、余裕をもって早めに取りかかりましょう。
相続登記にかかる費用
相続登記には、以下の項目で費用がかかります。
- 相続登記の必要書類を集める費用
- 登録免許税
- 司法書士の報酬
それぞれ詳しく解説します。
相続登記の必要書類を集める費用|1~3万円程度
必要書類を取得する費用は、自治体によって異なります。
また、相続人が多ければ複数分かかることもあります。
取り寄せる自治体が遠方の場合は、往復の送料がかかるので、各自治体の案内に従いましょう。
相続登記の必要書類にかかるおおよその費用は、以下の通りです。
被相続人の戸籍謄本 | 450~750円 |
---|---|
被相続人の住民票の除票 | 300円 |
法定相続人の戸籍謄本 | 450円 |
法定相続人の住民票 | 300円 |
法定相続人の印鑑証明書 | 300円 |
固定資産評価証明書 | 300円 |
登録免許税 | 固定資産評価額による |
登録免許税|固定資産評価額の0.4%
登録免許税とは、法務局に相続登記を申請するときに発生する税金です。
税額は相続する不動産の、固定資産評価額の0.4%となります。
評価額は、固定資産評価証明書に記載されています。
評価額が1,000万円の土地を相続する場合を例にあげて見ていきましょう。
- 1,000万円×0.4%=4万円
登録免許税は4万円となります。
司法書士の報酬|5〜15万円程度
司法書士に手続きを依頼したときの報酬は、5~15万円程度が相場です。
費用にこれだけ差がある理由として、以下が挙げられます。
- 司法書士事務所によって異なる
- 不動産の数や評価額で変わる
- 相続人の人数で変わる
- 手続きの複雑さで変わる
司法書士の報酬は自由化されているので、事務所ごとに料金設定はさまざまです。
不動産の数や相続人の数が増えると、その分手続きの量も増えるので、費用が高くなる傾向があります。
また、不動産の評価額によっても変わることがあります。
さらに、追加の書類作成や相続人の調査が必要になるなど、手続きが複雑化することも費用変動の要因です。
実際に事務所ごとに見積もりを出してもらって、初めて料金の目安が分かります。
司法書士報酬が追加・加算されるケース
以下のようなケースでは、司法書士へ支払う報酬が追加・加算されることがあります。
- 相続人が多数のケース
- 遺産分割協議が複雑なケース
- 不動産の調査が必要なケース
- 遺言があるケース
相続人が多数であれば、その分の書類や手続きが増えることはもちろん、遺産分割協議が必要になることもあります。
また、遺言書がなく、法定通りの相続とは異なる遺産分割をする場合や、遺言書にはない不動産が出てきたときには、遺産分割協議が必要です。
相続人全員の同意を得て協議書の作成が必要となり、この分の報酬が上乗せとなります。
さらに、所有している不動産を把握しきれていない場合には調査が必要となり、報酬追加の対象となります。
通常は固定資産税納税通知書に不動産が記載されますが、課税対象外の不動産は記載されないので見逃しがちです。
亡くなった方の名義になっていない、先代名義のままの不動産にも注意しなければなりません。
申請後に把握していない不動産が出てくると、手続きが追加となってしまいます。
遺言書があると簡単に進むように思えますが、遺言書の内容によっては相続登記が複雑化するケースもあります。
法定相続人以外の第三者が相続人に指定されていると、通常の相続手続きではなく、「遺贈」という手続きが必要です。
登記手続きでは不要だった権利証が必要になり、遺言執行者を定めているかいないかによっても手続きが異なります。
相続登記の費用を抑えるポイント
相続登記をするにあたって「できれば相続登記の費用を抑えたい」と考える方もいるのではないでしょうか。
費用を抑えるためのポイントは、以下の通りです。
- 全ての手続きを自分で行う
- 登録免許税が免税対象か確認する
- 戸籍等の必要書類を自分で収集する
それぞれ詳しく解説します。
全ての手続きを自分で行う
相続登記の手続きは司法書士に依頼するのが一般的ですが、全て自分でやれば司法書士に支払う費用は0円です。
ただし、手続きには専門知識が必要なため、法律に詳しくない方がやるのは想像以上に難しくスムーズに進めない点に注意が必要です。
また、自力でやるには法務局に出向いたりなど膨大な時間と手間がかかります。
「せっかく用意した書類が間違っていた」「あとから予想外の手続きが出てきてしまった」などの苦労は覚悟しなければなりません。
相続登記を自分で行う場合の必要書類
相続の内容によっても書類は異なるので、自分がどのケースに当てはまるのかを見極めてから取得しましょう。
細かい状況によっては、さらに別の書類が必要になる場合もあります。
法定相続・遺産分割・遺言の各ケースで必要な書類は、以下の通りです。
法定相続 | 遺産相続 | 遺言 | |
---|---|---|---|
亡くなった人の戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍) | ◯ 出生から死亡まで |
◯ 出生から死亡まで |
△ 死亡時の戸籍のみで足りる場合あり |
亡くなった人の住民票の除票 | ◯ | ◯ | ◯ |
相続人の戸籍謄本 | ◯ | ◯ | △ 相続する人のみ |
相続人の住民票 | ◯ | △ 相続する人のみ |
△ 相続する人のみ |
相続人の印鑑証明書 | ✕ | ◯ | ✕ |
固定資産税評価証明書(課税証明書) | ◯ | ◯ | ◯ |
遺言書 | ✕ | ✕ | ◯ |
遺産分割協議書 | ✕ | ◯ | ✕ |
登録免許税が免税対象か確認する
相続登記にかかる税金である登録免許税は、条件によって免除になる場合があります。
免税の対象になるケースは、次の通りです。
- 相続人が土地の相続登記をせずに亡くなった
- 評価額が100万円以下の土地を相続する
たとえば、祖父から父へ土地を相続した場合のケースです。
父が相続登記をせずに亡くなり、次の相続人である息子が相続登記をするとします。
祖父から父、父から息子へと、相続が2回に渡るので本来なら2回分の登録免許税が必要です。
しかし、このケースでは1回分は免除され、残り1回分の支払いだけで済みます。
また、土地の評価額が100万円以下の場合も免税の対象となります。
免税を受けるには、申請書に理由となる法令の条項の記載が必要です。
記載例の一部として、「相続人が相続登記をせずに亡くなった」場合は、「租税特別借地法第84条の2の3第1項により非課税」また、「評価額が100万円以下の土地を相続する」場合は、「租税特別措置法第84条の2の3第2項により⾮課税」といった文言になります。
登録免許税は建物と土地の両方にかかりますが、免税の対象となるのは土地のみです。
免税の適用期間は2025年3月31日までとなっています。
まだ相続登記をしてない方は、すぐに手続きを始めましょう。
戸籍を自分で収集する
戸籍の収集を自分で行えば、司法書士の費用が抑えられる場合もあります。
手続きのなかでは比較的簡単にできるものです。
取り寄せ元が遠方だと、少し余分に手間がかかりますが、時間さえ取れれば自分でやっても良いでしょう。
司法書士事務所によっては、収集の費用込みでセット価格になっているところもあり、自分でやっても節約にならないケースがあります。
費用を抑えたい方は、この点にも注目して見積りを出してもらうようにしましょう。
相続登記は司法書士に依頼するべき?
相続登記を自力でやるか、司法書士に依頼するか、迷っている方もいるのではないでしょうか。
相続登記は、司法書士に依頼することでスムーズに手続きを済ませられます。
失敗したくない方は、依頼をするのがおすすめです。
司法書士に依頼したときのメリットとデメリットを見ていきましょう。
相続登記を司法書士に依頼するメリット
司法書士に依頼するメリットは、以下の通りです。
- 司法書時間と手間を省ける
- ミスなく確実に手続きを進められる
- 相続人間のトラブルを回避できる
それぞれ詳しく解説します。
司法書時間と手間を節約できる
法律の専門知識が必要な手続きを自分でやるには、膨大な時間と手間がかかります。
申請に行く作業だけではなく、自分の状況に合わせた手続き方法を調べるのにも労力が必要です。
正式な書類の作成も必要となり、慣れていない方には難しい作業が待っています。
法律に詳しく、時間に余裕のある方でない限り、容易なことではないでしょう。
自分でやり始めてもほとんどの方は、手続きのややこしさに途中でくじけてしまいます。
最初から司法書士に依頼すれば、この作業を全て代理でやってもらえます。
ミスなく確実に手続きを進められる
「がんばって申請をしてみたものの、作成した書類に不備があり認められない」「自分では気づけない落とし穴があった」など、苦労が水の泡となってしまうこともあります。
そうなれば、もう一度最初からやり直しです。
所有している不動産や相続人が明確ではない場合や、手続きが複雑化してしまうときにも間違いが起こりやすいです。
十分に調べて申請をしたとしても、プロの法律家でない限り気づけない盲点もあります。
損をしないためにも、司法書士の力が必要となります。
相続登記を司法書士に依頼するデメリット
依頼するメリットは大きいですが、デメリットもあります。
デメリットは、数万円単位の費用がかかることです。
司法書士報酬がかかる
司法書士に依頼すればミスなく手続きができ、時間も省けますが、報酬の支払いが発生します。
自力でやれば当然支払いはゼロなので、「なんとかこの費用を削りたい」と考える方もいるでしょう。
状況によって5〜15万円程度の差があるので、実際にかかる費用の見積りを出してもらうのがおすすめです。
費用を知ったうえで、自分の知識や時間の量と払う費用を天秤にかけて考えてみましょう。
まずは無料相談を活用しよう!
まだ司法書士に依頼するか決めかねているという方は、一度無料相談を利用してみるのをおすすめします。
費用が分からないままでは、依頼するかどうかの判断もできません。
「遺言書があるかないか」「その内容がどうなっているか」など、相続人の数や不動産の価値によっても司法書士の費用は細かく変わってきます。
どの手続きにどれくらいの費用がかかるのかを見たうえで、自分でやる手続きと依頼する手続きを振り分けていけば良いのです。
相談をしてみないことには、今後の計画も立てられません。
無料相談を受付けているところなら、相談費用がかからず安心して話を聞けるので、ぜひ活用してみましょう。
杠(ゆずりは)司法書士法人でも無料相談を行っています
この記事では、相続登記にかかる費用の抑え方や、司法書士に依頼するべきかについて解説しました。
結論として、次のような方は司法書士に依頼するのがおすすめです。
- 法律に詳しくない方
- 時間と手間がかけられない方
- 相続のトラブルを避けたい方
「全て自分でがんばってやった結果、取り返しのつかないミスをしてしまった」という事態は避けたいところです。
司法書士に、依頼をすれば失敗なくスムーズに手続きができます。
杠(ゆずりは)司法書士法人では、初回無料で1時間程度の相談ができます。
最初に、手続きの流れや費用の概算をご案内いたします。
「司法書士事務所への相談が初めてで、何を相談して良いかわからない」という方も、お気軽にお問い合わせください。
まずは無料相談をして見積りを見てから、依頼するかどうかはゆっくり決めていただけます。
依頼するかの回答の催促は一切しておりません。
今後のために見積りと手続きの流れが知りたいという方は、ぜひ杠(ゆずりは)司法書士法人へご相談ください。
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